夢の中

□第二夜 黒主学園
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――――――………



「………一翁」



「長い眠りからやっと目覚めたあなた様を我々元老院も大変嬉しく思っています」



「そうか…」


そんな言葉には興味がないとでもいうように返事をする。



「ところで一翁、私はどのくらい寝ていた…?」



「はい……約十年程です」



十年………ということは人間にすると十五歳くらいか…



「で、枢はどうしている?」


私が枢という名前を出した瞬間一翁の顔が引きつったのが分かった。



「…枢様は今黒主学園夜間部に通われています。」



「黒主…学園…?」




「はい、黒主学園とは元吸血鬼ハンターが作った学園で、普通科と夜間部に別れています。普通科は人間、夜間部は貴族階級のヴァンパイアといった二つの種族の共存を目的に作られた学園です」



二つの種族の共存……?


ふっ、笑わせてくれる。



「そんなの無理だな。狼の檻に羊を入れたら狼はずっと我慢できるわけないじゃない」



そう結局私達は血に飢えた化け物だから…



「ま、いいわ。学園ゴッコも楽しそうね」


そういってあおいは不敵な笑みを見せた。



「一翁、直ぐに私もそこに通う準備をして」



「かしこまりました」




枢……まっててね?
直ぐに貴方の元にいくわ…
でも私だって分かるかしら?ふふふ…
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