恋一小説続き物

□黒崎先生の事情9
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「あーいや、あるかも」
「やっぱりだ!!このケダモノっ」
先程より激しく暴れて一護は抵抗する。
「いていててて、解った解ったからチュウだけチュウだけ記念にさせてくれ」
他は何もしないと言う恋次に一護も少し考えて折れる事にした。
「キス…だけだぞ」
一護はいったん恋次に離れさせ地べたに座り直す。
結構走って来たがそれでも一護の家の近所だ、誰かに見られる訳にはいかない。
一護は辺りを注意深く見回したが、人の気配はしないちょうど外灯から離れた位置で薄暗い上、近くの民家も明かりも完全に消え寝静まっていた。
「…よし、いいぞ」
安全を確認してから恋次に許可をだす。
「うおぉぉ〜一護からよしが貰える日が来るとは!」
大人しく待てをしていた恋次は感激して涙さえ流しそうな勢いだ。
「つっ早くしろよ」
一護は恥ずかしくてつい催促してしまった。
「おう、悪りぃ」
恋次に肩を抱かれ、上向かされる。
一護はドキドキしながら瞼を閉じた。
いつもは無理矢理だったり、快感に翻弄されている間だったりでこんな落ち着いた状態でキスするのは初めてだ。
少しの間があって抱き寄せられる
「ん」
恋次の熱い唇が一護のそれに触れる。
『ちゅ』と音を立てて離れると、緊張から止めていた息を一護は吐いた。
「う、んん!!」
その隙間を狙って恋次の舌が侵入して来た。
『このっ変態!変態!!』
引きはがそうしたが、ガッシリと抱き込まれ頭を固定されていてどうにもならない。
一護は諦めたため存分に貪られてしまった。
やっと恋次から解放されると一護は息が上がってしまっていた。
「つっ…お お い」
睨みながら文句を言うが赤面して涙目では迫力にかける。
「だってよー嬉しくって」
恋次は名残惜しそうに一護の頬や瞼にキスをしてくる。
恋次が頭に回した手を動かすとざらっと一護の髪の毛の間に砂を感じた。
「あ!悪い、埃まみれになっちまったな」
恋次はやっと冷静になったようで、一護の髪を掃い一護を抱き起こすと砂まみれになった服にすまなそうにしながら服をはたいた。
「そうだよな一護処女だもんな…」
こんな所でしたくないのも解ると恋次が一人で勝手に納得したようだ。
一護にしては男に処女もへったくれもないと思うのだが、納得してくれたなら理由はどうでもいいかと思う。
「よし、俺金貯めるぜ、超高級ホテルのスイート用意するぜ!!一護の初めてだもんな」
「なんだそれ?」
スイートに泊まり豪華なディナーでシャンパンとか飲んで夜景を見ながら…など恋次と二人で自分がするのを想像すると失笑しか出てこない。
一護は少し考え。
「明日…明日仕事終わったら恋次んち泊まりに行く、明後日休みだし…」
漸く決心して告げた、とても恋次の目を見ては言えなかったが
「うぉお本当か!!解った明日な」
恋次は嬉しそうに抱き着いてきた。
「もう一回ちゅうしていいか?」
「…舌入れんなよ」
約束のキスとして二人は抱き合いながらキスをした。

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