恋一小説続き物

□黒崎先生の事情3
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クロサキ医院の時計の針は13時をまわろうとしていた。
先程からイライラと時計を気にしていた一護は一転落胆のため息をついた。
『恋次のやつ今日も来ねぇ…』
だいたいお昼時には来て一緒に昼食をとったり、お茶をして過ごすのが約束ごとの様になっていたのに、ピタリと恋次の訪問が止み、もう一ヶ月が経っていた。
「今日も恋次くん来ないね」
「な!恋次とか来なくて全然かまわねぇだろ」
一護はふいに遊子に話し掛けられ驚いてどぎまぎしてしまった。
「さっきから一兄うろうろしてどうしたの?」
畳み掛ける様に夏梨に言われる。
「別に、ほら時間だ時間!患者来るぜ」
二人の兄は下手な芝居をしながら診療室に向かってばたばたと出て行った。
『お兄ちゃん…』
『一兄…』
これがツンデレか、と双子は同時に思った。


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