恋一小説続き物

□黒崎先生の事情5
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「ハァハァ、ハァハァ」
何処をどう走って帰り着いたか解らないが
一護は鍵を開けると、どうっと玄関の土間にへたりこんだ。
「ハァハァ……っつ」
いろいろな感情がごちゃまぜになって何も考えられない。
一護は暫く玄関に座っていたが、立ち上がるとお風呂場に駆け込んだ。
「う、ううっ」
シャワーを浴びながら首筋や胸をタオルでゴシゴシと擦る。
「気持ち悪い、気持ちわるいっ」
グリムジョーに触れられた感触を思い出しては鳥肌が立つ。

『お前恋次のセフレなんだろ?』
言われた台詞を理解する前にキスをされた…
『なにすんだてめぇっ』
そして個室の長椅子に押し倒されて…
『あいつらが来る前にちょっと味見させろよ』
「う…そうだ、くちも」
信じられない、どうして自分がこんな仕打ちを受けなければならないのか、一護は口を何度も濯ぎながら涙ぐんだ。
「恋次のせいだ、あいつのせいでこんなんばっかりだ!恋次め…」
しかも恋次が一護の事を友達にあんな風に言っていたのかと思うとショックだった。
でも、でもと一護は思う、自分達の今の関係は正直よく解らない。
ただの知り合いではない、普通の友達ではもちろんない。
『チャドや石田とあんな事とか絶対しないし…』
セックスもする友達…客観的に見るとそうなのだろうか
「はぁ…」
その事実は一護に重いため息をつかせた。
適当に身体を拭き、なんとか部屋着に着替えると髪も乾かさずにベッドにもぐった。
「そういえば、恋次に買って貰った物置いてきちまったな…」
小さく呟いたが、起き上がる気力は全くない。
このままふて寝してしまおう、そう思った時
ピンポーン、ピンポーン
家のチャイムが鳴った。
一護は出る気にならず、布団を被って無視する事にした。
だが、

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