恋一小説続き物

□黒崎先生の事情8
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「あ〜〜〜〜〜…」
俺は燃え尽きた灰の様に真っ白になっていた。
「一護っ一護っ暫くっていつまでだよ一護ーー」
一護に会えない苦しみで、しくしくと悲しみにくれ、哀れなほどボロボロになっていた。
「うるせーな仕事しろ手を動かせ!」
檜佐木さんはワックスを彫りながら怒鳴った。
俺は今日も檜佐木さんの工房に手伝いに来ていたのだ。
「元はと言えば檜佐木さんがいけねぇんじゃねぇか!!」
そうだ檜佐木さんが変な事言わなければ今も一護の家に行って一緒にご飯食べたりお喋りしたり、チャンスがあればイチャイチャしたり出来たのに
「元はと言えば…誰のせいなんだ!!」
檜佐木さんは彫刻用の刃物を握り鬼の様な顔で振り向いた。
「阿散井が勝手にキスしてきたんだろう!いやそもそも元はと言えばあーゆう硬そうな奴に中途半端に手を出したのがいけねぇんだ」檜佐木さんはまくし立てる様に俺を攻める。
確かにその通りだった、せっかく一護が来てくれたのに台なしにしたのは、偶然とはいえいつも不埒な事を考えていた恋次のせいだ。
もしあの時何もなければ一緒に鯛焼きを食べて檜佐木さんだって普通に紹介していたのだろうし。
その檜佐木さんが言う様にきちんと最初に一護の気持ちを待って事に及べばこんな中途半端になっていなかった。
逆に中途半端に身体の関係がある事が一護に不信感を抱かせている。
「むしろ最初の時に最後までやっとけばよかったんだ!ヘタレんじめ」
「いや、だって」
また檜佐木さんの恋愛指導が始まった、これが痛いところ突いているんだよな
「あーゆう奴にはなー本当はちゃんと順序だてて攻略しなきゃ駄目なんだ」
「だからって自分が狙ってるみたいな事言わなくても」
誤解を解いてくれるだけでよかったのに何故余計な事まで一護に言うのか、この前言っていた所の『なんとか』なんだろうけれど余計なお世話だった。
「ああ、あれ?ちょっと本気だから」

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