短編小説

□白黒(トイレで)
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「はーやっと終わった…」
その日一護は出席日数の足りない分を補うためのレポート作成に徹夜で取り組んでいた。
日付が変わる頃ようやく全てのレポートが終わり、寝る前に用を足そうと自室から一階へと降りて来たのだ。
家族は寝静まり、一階は無人。
「んーふんふーんふー」
鼻歌交じりでトイレの扉を開けると後ろ手で閉める。
何の気無しに自分のチャックを開けた時だった。
ゾクリとした悪寒が背筋に駆け抜ける。
「手伝ってやるよ一護」
もう一人の自分の白い手がふわりと一護を包み込むと、無防備に開かれている窓へと侵入する。
「わっ!ちょっ何すんだてめぇ!?」
彼の手首を捕まえたが、一護の抵抗をものともせず布を掻き分け目的のモノを探り当てた。
「何って用を足すんだろう?」
スルリと一護のペニスを引きずり出すと彼は便器に向かって目標を定めた。
「ほら、出せよ」
青い舌がベロリとうなじを舐める。
「で、出来るか!!馬鹿野郎」
年端もいかない子供じゃあるまいし、他人に支えられて排泄をするなど考えられない。
一護は迂闊にも彼が出てくる気配にまるで気付かなかったため、身体もガッチリホールドされて、狭いトイレ内では逃げ場所もない。
「俺はお前だぜ?この手はお前のもんだ、このチンコは俺のモノだし」
そう言いながら彼は白い指で一護のペニスを扱く。
「や、やめ…」
レポートが完成するまでもう少し、と尿意を我慢していたため一護にはまるで余裕がない。
しかも先程自分でする態勢になってしまっていた。
「い、やっ…だ!!」
ペニスが潰される事よりも、放出してしまう恐怖から一護は指を開かせようと渾身の力を込めるが彼の指はびくともしない。
握られているペニスに痛みも感じないので絶妙な力加減をしているか、今自分が霊体でない事が関係しているのか。
「腕力じゃ俺を動かせないぜ」
彼は一護の頭の中を読んだみたいだった。
「ホントに…辞めろって」
一護は額に脂汗をかきながら堪える。
「我慢は身体に悪いぜ出しちまえよ」
彼は白い指で優しく一護を擦り、黒い爪で冷酷に引っ掻く。
一護にはどちらを出せと言われているのかも解らない。
「あっ…はっ…あっあっあっ!」
今や一護のペニスは愛撫に反応し、硬く張り詰めていく。
尿意と快感に同時に襲われただ喘ぎ声を漏らした。
射精したい、でも今気を緩めてしまったらどうなって仕舞うのか解らない。
「いっ…痛っ…ああっ」
一護のペニスはじんじんと痛みだし、膀胱もパンパンに腫れている。
「あ、あうぅ…ホントにもうっ!!」
「いいからイケよ」
彼はペニスを扱くと同時に一護の下腹部をぐぐうぅと押す。
「ああっ!!」



ジョロッジョロロロォォ〜〜〜






「うっ…ひっく…うっく……」
一護はボロボロと涙を零した。
恥ずかしい、死んでしまいたいくらい恥ずかしい。
限界まで我慢したために、放出は長く一護を苦しめた。
「も、嫌だ…」
彼は慰める様に頬を擦り寄せ、一護の止まらない涙を何度も何度も唇で拭った。
「泣くなよ一護…もっと酷い事したくなるだろ」
その残酷な声に一護はゾクゾクと身体を震わせた。
それは恐怖や嫌悪ではなく甘い期待だった。


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