恋一小説続き物

□黒崎先生の事情10
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「恋次でた…ぞ」
一人で歌番組を見ていると一護が茹で上がって出て来た。
まるで決戦にでも行くかの如く覚悟を決めた顔をしている。
「じゃ寝るかー」
そんな一護に殊更何でもない風に恋次は言った。
「恋次は入らねぇのか?」
恋次が貸したパジャマが大きいのか端を掴んで聞いてくるのが可愛いらしい
「俺はお前が来る前に入ったぜ」
「そっか…」
テレビを消し、照明の明るさを落とす。
ベッドに入り、どうしたらいいか解らず立ち尽くしてる一護を手招きする。
「………」
一護は少し躊躇ったが、素直に近寄ってベッドに上がる。
暗くても解る一護の顔が真っ赤だ。
「湯冷めするぜ」
一護の肩まで掛け布団をかけてやる。
密着すると一護の身体は緊張でガチガチになっていた。
恋次はそんな一護をギュッと抱きしめ、その洗い立ての髪にキスする。
「おやすみ」










暫くは堪えてじっとしていた一護がもじもじと腕のなかで身じろぐ。
とうとう我慢出来なくなり小さく呼びかけてきた。
「恋次…」
「んー?」
ふわふわのオレンジ色にほお擦りし恋次はわざと、のらりくらりと返事をしてやった。
「恋次……………し、しないのか?」
蚊の泣くような声で一護は聞いてきた。
一護の鼓動が小動物の様に早く鳴っているのが触れた胸から伝わる。

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