短編小説

□黒崎一護の上手な飼い方2
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しかし気持ち良さにうっとりとしていた一護の目に一般的に民家に見慣れない物が飛び込んできた。
「……え!?」
そこは三十畳はあるかと思われる純和風の部屋でその真ん中に敷かれた布団に一護は寝かされていたのだが、その視線の先には鋼鉄の頑丈な檻が嵌められていた。
かなり大きな部屋なので閉塞感はないが、その部分は正に座敷牢と言った感じだ。
「な…なんだよコレ!?」
一護はびっくりして起き上がるとその鉄格子に駆け寄った、手をかけるがビクともしない。
それに、自分はいつの間に霊体になったのか、しかも死覇装ではなく勝手に着物に着替えさせられていた。

一護は記憶を手繰り寄せる、今日はテスト最終日で学校からの帰り道久しぶりに白哉に会い、そして…
「漸く目が醒めた様だな黒崎一護」
驚く一護が振り向くと背後に白哉が迫っていた。
「なんの真似だ白哉!!いくらなんでも怒るぞ」
「…憤っているのは私の方だ」
白哉がこれまでにない程の不機嫌なオーラを全身から放って一護を鉄格子へと追い詰めてくる。とにかく今は白哉から距離をとろうと瞬歩で逃れようとした。
しかし次の瞬間一護が気付くと、白哉によって畳みに押さえ付けられいた、瞬歩でスピード負けした訳ではない、一護は霊圧が全く上がらず、瞬歩にすら成らなかったのだ。
「な!?」
「兄の霊圧は封じた、無駄な抵抗はしない事だ」

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