深き水の中
□第2話
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翌朝
ミオンとナツは一緒に待ち合わせのマグノリア駅に向かった。
駅に着くとグレイとルーシィ、ハッピー、レイがいた。
ハ[ナツ〜!ミオン〜!]
ナ「よぉハッピー!」
「みんなおはよう」
しばらくすると、
エ「みな待たせたな」
ハ「相変わらず荷物多ッ!!」
大荷物を引いたエルザが到着した。
「エルザ、今回の依頼は?」
エ「今回は隣町で暴れている盗賊の盗伐だ。
しかも多くてな。頼むぞ」
「分かった。久々にたくさん動けそうだね」
エ「フフッ頼もしいな」
5人と2匹は列車に乗り、隣町に向かった。
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列車内
ナ「うぐぅ…んぐぐ…」
ル「本当にいつみても辛そうねぇ」
ナツは乗り物酔いの影響でダウンしている。
しかし今回はナツだけでなく、
「うっ…」
レ[ミオンもやっぱりだめね]
ミオンも苦しそうな声をあげ青い顔をして窓に頭を寄りかからせていた。
ル「ミオンもダメなのね…今までの依頼でも移動するときに乗り物乗ってたのよね?どうしてたの?」
レ[歩ける距離なら歩いて移動してたり、船での移動なら泳いで移動してたわ]
ル「お、泳いで!?」
レ[ミオンは水の滅竜魔導士だからね。
水の中に入ると水の中で呼吸できるし、船より早く泳げるのよ]
ル「す、すごい…」
レ[だから極力乗り物は乗らずに依頼をこなしてたの。
まぁどうしても乗り物を乗らなきゃいけない時は乗ってたけどね]
ナツが辛そうな顔をしているとエルザが溜息をついた。
エ「しょうがないな。ナツ、私の隣にこい」
ナ「あ゛い」
ル「どけってことかしらね…」
エルザに言われナツはルーシィはナツと席を入れ替わった。
ナツが隣に座ったことを確認すると、
ドッ
ナ「うぐっ!!!」
ドサッ
ナツの腹に拳をいれ、気絶させた。
それにグレイとルーシィ、レイは苦笑いをこぼした。
エ「こうしていれば少しは楽だろ。
ミオンもこっちに来るか?」
「へ……き…」
ミオンは苦しそうに笑うとまた窓に寄りかかった。
列車が揺れるとその振動でミオンの頭が窓にぶつかる。
グ「ったくそれじゃあ頭痛いだろ。
ほら」
それを見たグレイはミオンの頭を自分の肩の方に寄せた。
グ「ほら、これで少しは楽だろ」
「んっ……あり…がと」
ミオンはそのままグレイの肩で眠りについた。
そんなミオンを見てグレイは微笑んだ。
そんなグレイを見てルーシィはニヤニヤした。
ル「なぁにぃ〜グレイってばミオンの事みてニヤニヤしちゃってぇ」
グ「なっ!べ、別ににやにやなんか…!」
ル「もしかしてぇ〜グレイってばミオンの事が好きなんじゃないの?」
ルーシィがからかうようにグレイを見た。
するとグレイは顔を赤くした。
それにルーシィは驚いたような表情をした。
ル「えっ!!あ、あんたもしかして本当にミオンのことが!」
グ「っ////」
エ「そうだったのか?」
グ「べ、別に俺は…」
ル「まぁミオン美人ですもんね〜無理もないわ」
ルーシィはグレイの腕をつつきながら言った。
グレイは顔を赤くしながらルーシィの腕をはらった。
ル「グレイってばいつからミオンの事が好きなの?」
グ「…いつだっていいだろ」
ル「それってナツと付き合う前から?」
グ「人の話聞いちゃいねぇ…」
レ[しょうがないんじゃない?
女の子って恋の話が好きだもの。一回気づかれたら話さないと解放されないものよ]
レイに諭されてグレイは溜息をついた。
ル「それでそれで、ナツと付き合う前なの?」
グ「……そうだよ。
俺はこいつに一目惚れしたんだよ」
ル「でもグレイならナツが告白する前に告白できたんじゃないの?」
そうルーシィが質問するとグレイはミオンの寝顔を見てフッと笑った。
グ「好きな相手に恋愛相談されたら協力せざる終えないだろ」
ル「グレイ…」
グ「照れた顔でさ、"ナツの事が好きなんだけどどうしよう"って言われたら聞いてやるしかねぇだろ」
ル「あんた……かっこつけちゃって」
グ「まぁいいんだよ。もしナツがミオンを泣かせるようなことしやがったら、奪ってやるさ」
ル「全く…ほんとあんたってやつは」
グレイがミオンの頭を撫でるとミオンは身じろぎ無意識にグレイにすり寄った。
それを見てグレイは笑った。
グ「それにこういう役得もあるしな」
エ「グレイらしいな」
そして列車は駅に着いたのだ。
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