本。
□space2 出会い
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小鳥さん騒動から約3日くらい立った頃。
それはいつもの通り、突然やって来た。
「…シンシア!!」
どたどたと足音を立てて半ば乱暴に扉を開けて入ってくる人物を見て、シンシアは目を見開き、輝かんばかりの笑顔で彼女を迎えた。
「姉様…ネイディア姉様!!」
「会いたかったわ、シンシア!!」
「私もです!」
ぎゅうぎゅうと抱き付いて、次いではっとしたようにシンシアが問い掛けた。
「姉様、お仕事は?今が一番大変だって…」
「そんなの私にかかればちょちょいのちょいよっ
そんな事より、可愛い妹に会えない事の方がとんでもなく体に悪いんだから!!」
ネイディアは「はあ〜、シンシアもこっちに来れば良かったのにぃ」と、微笑みながらシンシアの頭を優しく撫でる。
父に似た褐色の髪を左右に流し、薄いオレンジを主に作られたドレスに身を包むのが、シンシアの姉、ネイディア・レイズ・ファルストン。
隣街のファルストン国に嫁いでいった姉は、こうして時々帰ってきてはシンシアに他国の知識を教えて行っていた。
そんな時間が楽しくもあり、シンシアはネイディアが帰ってくるたびに楽しそうに話しを聞いて来ていた。
「そう言えば聞いたわよ、シンシア。
最近小鳥を飼っているんですって?」
「あ…の、それ少し誤解があるのですけど…。」
「誤解?」
そのまま首を傾げるネイディアを、シンシアは困った顔で見返した。
ネイディアが帰って来る約三日程前。