本。

□season3 毎朝の戦い
2ページ/3ページ



「…ルーナ、少し街に行ってくる。」


「外?」


着替え終わったルーナが、コテンと首を傾げながら答えたその姿に、瞬時に悶え、瞬時に戻す。
…ダメだ、やっぱり街に出てまともな服を着てもらわなければ


「俺の理性が持たない…。」


「りせい?」


ちょこんとまた小さく首を傾げて俺の服の裾を掴む。
…待ってくれ、誘っているのかその仕草…と、問いかけたくなるほどに無防備なルーナを見て、理性は崩壊寸前だった。


「なんでもない。それよりルーナ、一つ約束出来るかい?」


「なあに?」


屈託なく微笑むルーナに「絶対に、俺が居ない間に寝室から出ない事。」と言うと、なんで?と問いかける様に首を傾げた。


「あり得ないと思うけど、この家にオレ以外の人が入って来るかもしれないだろう?」


「…私、置いて行かれちゃうの…?」


ぎゅっと俺の服を掴むルーナの目を見て、ヤバいと思った。
潤んだアメジストの瞳がガラス玉の様に輝き、かなりの身長差があるので自然にそうなってしまう上目遣いのダブルパンチ。
そしてすがりつくようにして掴まれたすそと、その瞳から溢れた涙に、俺の良心はズタボロだった。


結局、一番マシに見える格好をさせて、一緒に街に出る事にした。


…あり合わせだが仕方ない。
その分、街に着いたら思いっきりオシャレをさせてあげようと誓った、朝の十時過ぎ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ