本。
□season5 突然の客人
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ルーナの服が届き、満足した様子のヴァイナス…もといヴィーは、洗濯を干しながらふと気付いた。
「…あれ、こんな所に手紙が…?」
テーブルの家にある、押印の着いた手紙を不思議に思っていると、後ろから抱き付いて来たルーナが小さく「あ、それ」と呟いた。
「さっき…ヴィーが紅茶を淹れに行っている時に、窓から入って来た蒼い鳥が置いて行ったよ?」
「蒼い鳥…ノーストン公国の使い?
いやでも…ここ八年の間で手紙を出した奴と言えば…。」
ぶつぶつと呟き、しばらくするとハッとしたようにルーナを抱きかかえて寝室へとダッシュした。
「ヴィー?」
「……いいかい、誰が来ても開けてはいけないよ。」
真剣な顔をしたヴィーに、ルーナはこくんっと頷くが、理由も何も言わないヴィーに、不安げな視線を向けた。
「あ…理由は後からきちんと話すよ。
今は…」
「ドカーン!!!」
大きな音と共に入って来た何かに顔をしかめ、次いでルーナは今までに見た事が無いくらいに怖い顔をしたヴィーを見てぎょっとした。
「(あの大馬鹿が!よりによってルーナが居るこんな時に………っ)」
こめかみがぴくぴくと動いて、いつもの穏やかな笑みはそこに無く、あるのは怒りとなけなしの笑顔を混ぜた様な表情が浮かんでいた。
「……絶対に、動いてはいけないよ?」
「は…はい。」
最後にルーナに微笑みかけると、ヴィーは寝室を出てリビングへと姿を消した。
…あの怖い顔を見た後の笑顔だったので、ルーナはベッドの上で固まってしまっていた。