本。
□season7 心地よい場所
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小さく身動ぎするルーナを感じて、抱きしめる力を少しだけ解いてやる。
ふにゃっとルーナも力を抜いて、ゆっくりと目を開ける。
まだ寝ぼけているのか、じっと俺の目を見ている。
それがなんだか可愛くて、俺は「おはよう」と呟くと共にルーナに口付けた。
それを受けてやっと認識したのか、またふにゃんとはにかむように微笑んで、ルーナも「おはよう」と返してくれた。
…愛おしいく、狂おしい。
目の前に好意を抱く相手が無防備に自分の腕の中で抱かれていると言うのに手が出せないと言うこの状況とルーナの純真無垢さを知っていれば俺のこの心の葛藤はきっと彼女にとっては全くわけの解らないものなのだろういやしかし俺にしてみれば死活問題な訳でいやでもそれを実力行使として初めてしまうときっといや絶対に自分を止められないだろうしだがそれをここ一週間程言わばお預けを食らっている状態で爆発しないとも限らなく…
「ヴィー…」
…猫の様にすり寄って来る。
何も知らないからこそ出来る技だな、と俺は頭の片隅でそう呟く。
「…えへへ、だいすき。」
「………」
寝ぼけているのだろうか。
今まで一度も受けた事の無いこのほわほわとした表情で、何とも無防備な事を言う。
しかもさっきまでの葛藤を吹っ飛ばす程のこの威力。
「…ルーナ」
俺は啄ばむようにして、ルーナに口付ける。
初めこそ素直に受け入れたルーナも、どんどん深くなるそれに少し身を引こうとする。
それすらも許さず、俺はさらにルーナの頭の後ろに手を回し、強引に押し入りくちびるを開かせて小さな舌を追いかけ絡めた。
しばらくして息の荒くなったルーナを離してやると、瞬時に俺の首元に自らの腕を絡めて来た。
ぎょっとした俺を尻目に、ルーナの濡れたくちびるからさらに驚く言葉を聞いてしまった。