本。

□life1 最強街娘
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「…はっ!」


一息で終わらせれば事足りる。


私は倒れかけていた足をザッと地に着き、思い切り右足で地面を蹴り上げる。
左足を相手の男の内側に絡ませて、そのままの勢いで腕を振る。
最後に右足を先に地面に降ろして、男の両手を外側に捻った。


「…ちゃんとした鍛え方してないから痛いかもだけど、それもこれもあんたがスリなんて馬鹿な真似したからなんだからね!」


そう言い放つと同時に、辺りから拍手が沸き起こる。
そこで私はハッとした。


「(…こんなとこで目立っちゃダメなのに……)」


ふぅと小さく息を吐き出して、騒ぎを聞き付けて来た警ら隊に男の身柄を引き渡した。


「怪我は無いかい、お嬢ちゃん」


それは私の背を見ての判断か、それとも私の容姿を見た後の判断か。


警ら隊の何人かが心配そうに私の顔を覗き込む。


「…私もう18よ!お嬢ちゃんじゃないわ!」


「そうか、お家どこ?」


人の話しを聞いているのかしら。
私はため息をついて、メインストリート奥にある洋館と答えた。
そして私はそのまま歩きだす。


…帰ったら絶対怒られる。


それだけが怖くて、私は冷や汗をだらだら垂れ流していた。
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