本。
□Gate1 ふよふよ
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「………えーっ!!」
…と、うるさかったですか?それはどうもすみません。
ですがこれは、叫ばなくてはやっていられないでしょ。
近くの木にくくりつけてあった馬も、積み荷も、忽然と消えてしまっているのだから。
って言うか叫ばずにはいられないって!!
「ちょっ!馬は!?積み荷は!?どこ行った!?」
あーもうこれだから山道は嫌んなるっ!!
最近山賊も目撃情報が無くって完璧に油断した…
って言うか何故に私の荷物なんだよ!まああいつら馬車を見つけたら迷わず襲うらしいから、命取られなかっただけマシなのかもしれないけど…。
「…でもまいったなー。今回はそうも言ってらんないんだよね。」
国王様から預かっているコインもあるし…うーん、面倒くさいけど取りに行った方がいいよね…。
「くっそー。また道草したって宰相さんにドヤされる…。」
眼鏡の奥で光った彼の目を思い出して、私はブルリと体を震わせた。