どんな言葉で
□いなくなった母さん
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次の日、僕はやっと異変に気づいた。
母さんが帰って来ていない。
そんなことは今まで一度もなかった。
父さんに聞いても、はぐらかされる。
「……かず?」
「はい?」
「なんか悩んでる?」
中学から仲の良い潤くんに聞かれる。
「なんでもないですよ」
「嘘つくんだ?」
「…っ」
「言ってみろよ?」
口は悪いけれど、優しくて情熱的な
僕のいい友達。
「…母さんがいないんです。」
「えっ…。まじ?」
「はい。昨日からいないみたいです。
父さんに聞いても、はぐらかされて。」
「なんか隠してるんじゃね?」
「僕も思うんですけど…」
それで、その日は終わり。
次の日に僕は、予想外のことに出会う。