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□サヨナラ愛したヒト
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貴方がいない世界ってこんなにもつまらないんだね。
貴方がいない世界って色がないんだね。
全然知らなかったよ。

どうして別れるなんて突然言い出したのか
やっぱり聞けば良かったかな。
嫌な女、うざい女、しつこい女、そう思われてでも聞けば良かったのかな。

そうしたら納得して、貴方をきっぱり忘れられたのかな。

考えても考えても答えは見つからない。
未だに信じられない。

約束忘れちゃったんだね…
ずっと一緒にいようって言葉、嘘だったんだね…

酷いよ多々良……
嘘つき…裏切り者……
大嫌い、ううん、大好き……

フラれたのに、裏切られたのに、あたしはまだ貴方のことが好きだよ。

でももうどんなに願っても貴方は戻ってこない。

一度壊れた関係は二度と元には戻らない。
例え復縁できたとしても、貴方に別れを告げられ裏切られたことは一生消えない。
きっと二度と貴方の前では笑う事は出来ない。

貴方が私を捨てて、他の女と愛し合う所なんて絶対に見たくない。
あぁ、他に好きな女が出来たから別れたい、ってことなのかな……
ホントに分からない……どうして……?

貴方がいないと生きていけない。
貴方とたった数日離れただけなのにこんなにもボロボロになっちゃうんだよ。
あ、こんな重たい女だから嫌になっちゃったのかな?

……ははっ、
自分のダメさにもはや笑うしかない。
顔も涙でぐしゃぐしゃだ。

いつも急に吐き気がこみ上げてくる。
布団から出るのめんどくさい。
でも耐えられない程の吐き気に、ズルズルと体を引きずって洗面台へと全て吐き出した。

空腹感はちっとも感じないけど、さっきなんとなくで作って食べた雑炊も出てこない、既に出し切ってる。
もう胃に何も無いからすっぱくて不味い胃液しか出てこない。
なのに吐き気が収まらない。

吐いても吐いても、何かがこみ上げてくる感覚になる。
吐きすぎてか胃と食道がキリキリ痛い。

洗面台の鏡に写った私は窶れていた。
うーん、ダイエットかな。
なんて言ってられるほど余裕ない……

苦しい、苦しい。
どうしていいのか分からない、
もう楽になりたいよ……

なんとか吐き気が収まって、ベッドに仰向けに寝っ転がる。
意味もなく左腕を伸ばして天井を仰いだ。
いつも手が届く距離にいた多々良、もう随分遠くに行ってしまったね。

額にかざした左手に見えたのは指輪の跡
この指輪は私の16歳の誕生日に貰ったものだったっけ。
女の子は16から結婚出来るから、他の人に取られないように予約っていう感じで貰ったんだよね。
予約のまま23になって、結局結婚する前にフラれてるんだけどね。

7年も付けてたからそりゃ跡も残るよね。
指輪の跡だけじゃない、部屋の至る所に多々良との思い出が残ってる。
忘れたいのに忘れられない。
でも捨てることもできない。

まあ、そもそもの話、忘れられるわけがないよね。
だって多々良が私の全てだったんだもん。
多々良がいない世界で生きる理由がない。
生きていけるわけがないよ。

それぐらい、どうしようもないくらい、好きだった、愛してた、依存してた…
私には、貴方がいないとダメなんだよ……

生きていけないのならもう終わり。
貴方が私を必要としないなら、私は生きている理由なんかない。
こんなに苦しいのならもう楽になってしまおうか…
そうね、自分で自分を終わりにしてしまおう……

貴方は私が居なくなっても生きていける。
今もきっと仲間達と笑ってるよね?

大好きな多々良。
裏切った事、許さないよ。
謝ったって、許さないよ。
でももう二度と会うことはない。
もっと貴方と一緒にいたかった。
楽しかった頃に戻りたい……戻りたいよ……

…さようなら多々良、幸せになってね。


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