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□王サマとSummer?
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この前ヤーさん潰して、大量に儲け(バッチイお金は吠舞羅が預かって清く正しく使います。という草薙さんの強引なふんだくり)が出たので、なんとビーチを貸し切って、泊まりで遊びに来ました!

草薙さん太っ腹!さすが!!

そんな草薙さんはパラソルの下で缶ビール片手にお昼寝、おっさんくさいね
八田ちゃんはサーフィン、曰く超ビックウェーブがきてるらしい
多々良とアンナは砂遊び、大きなお城作るんだって凄いや
他のメンバーは、ビーチバレーにビーチフラッグ、そして遠泳!エトセトラ!

それぞれが素敵なバカンスを満喫しているようです

あたしも新しい水着を買ったので、お披露目して、みんなと混ざって泳ぎたいのです!
が!……誰かさんのせいで台無し

うーん、皆が遊んでるこの周辺にはいない

小さなクーラーボックスと、水着と同じく新しく買った浮き輪を担いで少し浜辺を歩くと、さらに遠くの方に1つのビーチパラソルを見つける
そこに誰かさんはいた

パラソルによって出来た影内にひかれたレジャーシートの上でふんぞり返って寝ている誰かさんに向かって声をかけた

『尊、折角海に来たのにみんなと遊ばないの?勿体無いよ』

「……」

返事がない
でも絶対起きてる(勘です)

ムッとして、レジャーシートまでドスドスと歩いて、膝をついて、

『尊!!』

と大きな声を出す

だるそうに目を開けて、ギロりと凄い形相で睨みつけてくる
この尊の顔を見た人はだいたい怒ってるって思うけど、怒ってるわけじゃないんだよね
ただ単に目付きが悪いだけ

「…なんだ、さっきから」

『やっぱり起きてたし、聞こえてたじゃん。海入らないの?ここで寝てるより涼しいと思うけど』

「入らねぇ」

『なんで?』

「ねみぃ」

『眠いって、車の中でも寝てたじゃない。もー、尊ったら…』

腰に手を当てて肩を竦める

水着はちゃんと着てるくせに(せめて水着には着替えるように説得するように多々良に言っておいたからかな。じゃないと着替えすらしないし)
折角海に来たから少しは一緒に遊びたかったのに…
まあ、尊が起きたとしても、遊んでくれるって言ったとしても結局無理だからいっか

さっき担いで持ってきたクーラーボックスから缶を2つ取り出して、片方を尊に差し出した

『呑む?』

「ああ、わりぃな」

缶のプルタブを起こそうとするけど中々難しい
いっつもそう、開けられなくてどうしようもできない時は、飲み口に綺麗に穴開けてるんだよね(力の無駄遣いです)

人前で、尚且つ力を分けてくれた人の前でそんな力の使い方をする訳にはいかない

カチカチと爪先と缶で音を立ててると、尊の長い指が伸びてきて、人差し指1本で簡単にプルタブを起こして開けてくれた

『あ、ありがと』

「ああ」

爪が長いのと、おニューのネイルを傷つけたくないという乙女心を尊も分かってくれたのね

かんぱーいって軽く缶をくっつけて呑む

『うーん、開放的な青いビーチを前にして呑むお酒はたまらなく美味しいねぇ!』

「ジジくせえな」

『ジジイは草薙さん、あたしはババアだもん。ふー、あっつーい』

お高い洋酒が好きな尊だけど、あたしの家に常備してあるやっすい缶チューハイを呑み漁りその味に慣れたのか、こうして一緒に呑んでくれる
そしてあたしが呟いた暑いって言葉に尊が反応してきた

「んなもん着てるからあちーんだろ、脱げよ」

顎でしゃくるようにして指すのは、羽織り、チャックを1番上まできっちり閉めたパーカー

『やだ、これは脱がない。尊に脱げって言われても絶対脱がない』

「新しく買ったっていう水着はどーした」

『もちろん着てますとも』

新しく買ったって言ったの覚えててくれたんだ
一見流してるようにも見えるけど、意外と聞いてるし覚えてるんだよねこの人は

「だったら脱げ。見ててあちーんだよ」

『やだ!』

「なら脱がせるまでだな」

『だめ!ちょ!暑いからじゃなくて見たいだけでしょ!!』

「ああ」

『ああ、じゃないわよ!きゃ!!』

今日は、ああって返事ばっかり!
いつもの事だけど!
危機を感じて逃げようとしたけど、腕を引っ張られてシートに倒された

抵抗は叶わずあっという間にチャックを降ろされて、あえなく上半身を尊の前に晒すことになってしまった

ゆっくりと尊の視線が胸元からビキニパンツまで降りてきて、フッて鼻で笑いやがる

「そういうことか。気にするこたぁねえ。暑苦しいから脱いでろ」

『いやいやいや気にする!!ホント誰のせいでこうなったと思ってるの。あと暑いからじゃなくて水着姿が見たいからでしょ』

「ああ」

否定すらしない潔さ、素敵だと思う
でもそうは言ってられない!!

首筋から腰にかけて、白い肌(自分で言います、わりと自慢です)の至る所に赤い鬱血痕、そしてくっきり残った歯型
とても人前には晒せない悲惨な上半身です

『水着着れなくなっちゃうからダメって1週間前に言ったのに、その日も6日前もまだへーきだろって言って、5日前、4日前もまだへーきって言って、多々良か!って思ったわ。で、3日前、2日前にそろそろダメって言ったらガン無視。昨日はうるさいくらいダメって言ったのにああ。とか、おう。って空返事だけして付けるし噛むし、終いにはうるせぇ萎えるから黙ってろって怒られるし!!あたしがどんだけ嫌だ嫌だって喚いても萎えたことないくせに!!ちっとも消えないし寧ろ日に日に増えてるんですけど!?』

「フッ、毎日毎日お盛んだな」

まるで他人事みたい
あたしが盛って強請ってるわけじゃないやい!

『お盛んなのは尊でしょ!やだって言っても聞いてくれない。1回だけって言っても最低3回!エロ王様!万年発情期!』

「悪かったな」

『悪いって思ってる顔じゃない!や、ちょ、ちょちょちょ!!どこ触ってんの!?ここ外!』

「開放的なビーチで開放的になるのも悪くねーな」

『だめだめだめ!』

覆いかぶさる尊の肩をぐいぐい遠慮なく脚で押す
しっかしビクともしない
それどころか足首を掴まれて、ぐいっと脚を開かされる

擽ったいほどに股間周辺に視線を感じる

あれ、そういえばあたし呑んでたチューハイどうしたっけ
流れでシートに倒されて、あれ、あぁ、砂に3分の1くらい埋もれさせて固定してある
倒される直前に物凄くナチュラルに缶を取られてこうなったのかな
缶を取らずに倒して零したらあたしがめちゃくちゃ怒るって思ったんだね偉い!

『いっつも聞くけどさ、なんでこんな所に徴付けたの。毎回毎回飽きずによく見るし』

尊はフンってまた鼻で笑う
視線の先の内太腿の付け根ギリギリにはあたしの徴がある
優越感にでも浸ってるのかな

普段は見えないところにあるから、尊以外の人はほとんど見たことない
徴の場所も教えたこともないから、知らない人も多いんじゃないかな
去年海きた時はショートパンツタイプの水着だったし
でも今年はローライズタイプだから見えちゃうかも

案外嫉妬深いから他の人に知られたくなさそう
まあ場所も場所だしね
見せないように気をつけよーっと

「ふん、悪かねーだろ」

『まあ、あたしも気に入ってるし、尊がいいならいいんだけど』

「じゃあその俺が良いならいいってことで」

何がいいのかさっぱりわからない!!
こんな素敵なビーチでも尚隠さねばならぬ大事な所を晒してたまるか!
早速いやらしい手つきで胸元をまさぐり始めた尊を引っぱたいてやった

パチンといい音が鳴った

『バカ尊!せっかく海に来たんだから泳ぐの!!』

「後でな」

『だめー!今すぐ泳ぐ!夜まで我慢!!』

痛くなかったのかな
狼狽えることすらしないけど、あたしの手は地味に痛い

って、勢いあまって夜まで我慢とか言っちゃった
今日も寝不足確定、そして我慢させた後っていっつも怖い
自分で自分の首絞めてどうするの

「二言はねぇな?」

『うぅ……はい……』

誰かこのエロ魔人どうにかして…
毎日毎日付き合わされてしんどい…!!

でもとりあえずは泳ぐ時間が作れたから楽しむっきゃない
はっ!!尊にたくさん泳がせて疲れさせれば夜がちょっとは楽になる!?

よし…泳ごう!!
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