小さなカケラ

□猫?犬?
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夕方、晩の材料の買い忘れがあった事に気付き、付いてこようとする幼なじみを置いて買い物に行き帰ってくると、家の前に見知らぬ子猫がチョコンと座っていた


誰かの飼い猫か…野良?


近付いても逃げる気配無くジッと見上げてくる子猫。寒いし早く暖かい家の中に入りたいが、冬の寒空に子猫を放置するのも罪悪感が湧き気付けば子猫を片手に家の扉を開けていた






「おかえり紫乃!遅かったね。やっぱ俺も一緒に行った方がよかったんだ!寒かっただろ鼻赤くなってるし今俺の体で暖めてあげるな」


「ただいま雪。近寄るな」


玄関に入った瞬間何時から待っていたのか幼なじみの雪が両手を広げて突撃してきた
自分より大きな男に抱き締められるのは相手が幼馴染みであっても嫌だ
両手が塞がってる為咄嗟に足で押し止めたけどバランス崩して扉に打ち付けた背中が少し痛い…


「むむ…」


「紫乃靴脱がして欲しいの?全く紫乃は甘えんぼだな〜」


「違う。触るな。脱がすな」


痛みに唸っていると、一体何を勘違いしたのか仕方無いなと言いながら笑顔で靴を脱がそうとしてくる雪に軽く鳥肌が立った。慌てて自分の足を奪還し腕の中でずり落ちそうになっている子猫を抱え直してやる

そういえば…この子猫飼い主見つかるまで家で保護してあげること雪にも伝えておかないと
気付いたら勝手に居着いてるとはいえ一緒に暮らしているからな


「雪…「ねぇ紫乃〜それ飼うの?猫ならもう俺が居るでしょ。早く元居た場所に返してきなさい」……何言ってるんだ?」


人の台詞に被せてくるのやめて欲しい。その上に真剣な表情だけど言ってる事が謎だ
雪が猫って何を言ってんだ?寒さにとうとう頭が麻痺したか
意味が分からず首を傾げていると後ろの扉から訪問者を知らせるノックの音が聞こえ考えを一旦ストップさせる






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