φ(..)

□会いたい。側にいて
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「待って榊!ストップ止まれ俺の手を離せ!離してください逃がして!」


「健人日本語可笑しくね?ほら行くぞ」


日本語も可笑しくなるわ!今俺達が居る所って王道不良の溜まり場屋上の入り口じゃねぇかよ!!
無理無理足震えてるしもう泣きそう。何でこんな所に来てんだよ!?逃げようと全力で榊の腕を外しにかかる俺に榊は一度振り返り笑顔を向けたあと簡単に扉を開く


わぁぁぁ!!榊なんか嫌いだぁぁぁ!!


「サヨナラ俺の人生「何で」……あぇ!?」


心の中で榊を呪いながら来るだろう不良の怒りの一撃にキツく目を閉じていると、一週間前に聞いたきりの鈴沢の声が聞こえ反射的に目を開けると驚いた表情の鈴沢が一人立っていた


「あっ……見付けた。ずずざわぁ〜」


「さ、佐藤!?どうした?泣くな」


「屋上に不良が居なかった事と鈴沢に会えたことで気が緩んで涙腺も緩んだんだよ」


涙でボヤける視界の中焦った表情の鈴沢が近付いてきたのが見えたと思ったら目元を優しく拭われる


「知り合いに普段鈴沢が居るとこ聞いたら簡単に分かったわ。流石有名人」


「…………お前が連れてきたのか」


俺を置いて榊と鈴沢が何かを話していたがフルボッコにならなくて良かったと安心してた俺には聞こえなかった
榊嫌いになってやると思ったけど屋上に不良居なかったし鈴沢に会えたから良しとしよう








「うぅ………ちょっと失礼」


「ダメだろ健人」


涙が止まり落ち着くと鈴沢の前で号泣した事が恥ずかしくなり屋上から逃走しようとした所全てを見透かした榊に腕を捕まれアッサリ引き戻されてしまい鈴沢の前に座らされる


「ほら健人。鈴沢に言うことあんだろ?」


「言いたいこと?」


隣に榊、前に鈴沢が座り逃げられないことを本能的に悟る
会いたいと思ってただけなのに何故こんなことに………


「えっと、言いたいことっていうか……鈴沢もしかして俺の事避けてる?」


「んなこと!!っ………避けてない」


思いきって聞いた瞬間大声を出した鈴沢に驚いて肩が跳ねると、気付いた鈴沢が顔を赤くして俯いた後小さな声で否定が返ってくる

可愛い!鈴沢可愛い!泣いてたことも質問の内容も全部忘れて頭撫で回したい…………いやそうじゃなく


「避けられてないなら良いんだ。俺出来る限り鈴沢のペースに合わせたいと思う。たださ……出来たら文通だけじゃなくこうして会いたいなって思っ……て」


後半になるにつれて段々恥ずかしくなってきた俺は、最後はさっきより更に顔を赤くした鈴沢の黒に銀のメッシュが入った綺麗な髪をグシャグシャに撫でて誤魔化す

髪が乱れてもイケメンはイケメンなんだな


「俺……不良だから…迷惑。けど……佐藤が良いなら………お、俺も会いたい」


「鈴沢……ありがとう」


手紙に書かれた文よりも直接鈴沢の口から聞けた言葉が嬉しくて抱き締めようと近付くと気付いた鈴沢がギュッと強く目を瞑る

そんな反応されちゃぁな


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