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□初めましてはトラウマです
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「…………これは」
朝学校に来てから一日の楽しみ鈴沢からの手紙を受け取るため下駄箱を開けると中に可愛らしい手紙が入っていた
薄ピンク色の封筒に可愛い猫のシールで封がされた手紙は女の子が持ってそうな感じのタイプだ。鈴沢からの手紙は何時もシンプルな封筒なんだけどな…?
「何下駄箱の前でモダモダしてんだ〜?鈴沢からの手紙が無かったのか!!」
「違うわ!ホラ………」
首を傾げてると靴を履き替えた榊が楽しそうに側にやって来る
人の不幸を楽しみやがって赦さんぞ!!
一度睨み付けてから下駄箱に入っていた手紙を榊に見せるとキョトンとした後大声を出して笑いだす
「な、なんだこの可愛いのは!えっ鈴沢キャラチェンジか!あっははははヤバい腹痛い」
「笑いすぎだろバカ榊……」
予想してたとはいえ大声で笑うなよ
場所が場所なだけに人の目が一気に俺達に集中する…俺が目立つの嫌いなこと知ってやがるクセに!腹いせに榊の足を蹴り飛ばしてから急いで下駄箱から逃走する
一人で生徒達の目に晒されながらゲラゲラ笑ってやがれバカ榊
「ちょっどこ行くんだよ健人?」
「ウルセー付いてくんな!」
気付いた榊が笑いの止まらないまま追いかけてくるが構わずダッシュで逃げる。チラッと見えたけど笑いながら追いかけてくるって恐ぇよ!絶対ツボに入ってんなあれ
「はぁ笑った笑った。」
「ハァハァ…………も…無理」
下駄箱から逃走したはいいが笑いながら榊が追いかけてくるから結局何処でもチラチラ見られ、空き教室を見付け飛び込む頃には体力は限界、心もボロボロだ…
「健人大丈夫か?」
「うっせ………勝手に読むな……」
全力疾走したせいでもう一歩も動けない俺とは違い笑いながら走ってたにも関わらずケロリとして俺が貰った手紙を見ている榊
なんだよこの違い……俺も体鍛えよ
「健人はモヤシのままで良いとして、これ本当に鈴沢からか?」
良くねーよ!一生モヤシって嫌だよ!!
言いたくても体力が無く言葉に出来ないから榊の足をベシベシ叩いて抗議しておく
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