φ(..)

□未定
2ページ/6ページ


「あの…俺等次も授業あるんで行っていっすか?」


「ん?あぁそうだねどうぞぉ」


ジッと俯いちゃった健人君を観察してると埒があかないと思ったのか榊君が声をかけてきた

特に引き止める理由も無いし興味も無くなったからアッサリ了承してあげれば、向けられる掌


「…?」


お手でもしろってこと?


「はい」


「…なんで手置いてんですか」


「なんでって…お手」


「……良くできました。でも違うんで、先輩が握っ てる服俺のなんで返してください」


握ってる?

言われて初めて片手に持ってた制服に気が付いた そっか。わざわざ掛けてくれてたんだ…


「……ありがと」


「どういたしまして」


慣れない優しさに居心地が悪くなって視線をさ迷 わせてると零の頭の下にも枕の代わりに制服が置 かれてることに気付く

誰もが恐れる存在。それが俺と零

近付くのは同類か体目当てしか居なかったし優し さなんか与えられることすら無かった

……何となくだけど零が惚れ込む理由わかった気が するよ


「健人鞄忘れんなよ」


「わ、忘れねぇよ」


「ちょっと待って」


教室に戻ろうとして榊君の言葉で慌てたように床 に転がってた鞄を取りに戻ってきた健人君の腕を 掴み小声で耳打ちする


「えっ………!?」


「楽しみにしてるよぉ二人とも行ってらっしゃぁい!」


何かを言いたそうな顔の健人君に気づかないフリをしてヒラヒラと手を振りながらお見送りする


「ほぉら急がないと授業に間に合わなくなるよ」


まぁ俺達は不良だからサボるけど☆


「やばっ!……えっと鈴沢のことよろしくお願いします」


「は〜い任せといて」


零は放っといても問題ないけど、イイコのお返事 をしておこっと

.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ