φ(..)
□未定
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「ねぇ零…健人君って面白い子だね」
「……手出すんじゃねぇぞ」
「恐いなぁ手なんか出さないよ」
二人が出ていったのをちゃんと見送ってから、クルリと振り返ればいつの間にか起き上がって膝の上で丁寧に制服を畳み直してる零の鋭い睨みが突き刺さる
わぁ恐い恐い
俺には全然意味無いけどね
「ねぇなんで寝たフリなんかしてたのぉ?」
確証はないけど俺が目を覚ました時には零も気が付いてた筈だけどな
「決まってんだろ。さ……佐藤に合わせる顔がねぇからだ」
綺麗に畳まれた制服を皺が出来ない程度に握りしめて俯く零
なんで?なんて事は聞かなくても分かるけど本当、彼が絡むと別人みたいだな
乙女かよってツッコミたくなる所をなんとか抑えて零の隣に腰をおろす
「大丈夫だってぇ零も聞いてたろ?最後まで心配してくれて、愛されてるねぇ」
「愛っ!!佐藤が…俺を」
爆発音でも聞こえそうな程一気に耳まで赤くなる。ついこの前まで愛なんか興味も無かったクセに凄い変わりよう
健人君に出会って恋をしてから零はどんどん変わってきた
乙女な所は置いておいて人間らしくなってきてる
喜ばしい反面素直に応援してあげられないのは なんでだろ……?
よく分からないモヤモヤに首を傾げてると大事な事を思い出す
「そうだそうだ!零今日は一日俺に感謝をしなきゃいけないよ!」
「んだよ突然」
「今日のお昼は健人君と榊君誘って屋上でお昼ご飯だよぉ♪健人君にはもう伝えといたから」
さっき耳打ちで伝えといたんだよねぇ
俺ってば準備良い!自分で自分を崇めちゃうよ!
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