*二度と会えない大好きだった少年の話*
□-バレンタイン2013*No.3-
1ページ/1ページ
-バレンタイン当日-
沢山の女の子達が心待ちにしていたバレンタインデー
誰の心を映したのかは分からないがまるで嵐のような雨が降っていた・・・。
□■□■□■□■□■□■
朝から窓に叩きつけられている雨。
あまりの酷さに今日は出かけない方がいのではないかとさえ思ってしまう。
しかし、折角用意したプレゼントを渡せないで終わりというのもどこか勿体ない気がするし、どうせ渡すならバレンタインデーが終わらない内に渡したいなー等と考えつつ雨が弱まるのを待つ。
お昼ぐらいになり大分雨脚が弱まってきた頃ヒロトからメールが届いた。
こんにちは。
流石にこの雨じゃサッカー出来ないね。
もしよかったら家に遊びに来ない?
瞳子も喜ぶだろうし♪
これは好チャンスだ。
私はプレゼントを濡れないように袋に入れてからバックに突っ込みヒロトの家へと向かった。
□■□■□■□■□■□■
外はある程度雨が収まったとは言え、風かかなり強く傘を差していても横殴りの雨のせいでほとんど意味のない状態になっていた。
袋に包んだとはいえ食べ物も含まれている訳だし大丈夫かななどと考えたがまぁなんとかなるでしょうと高を括り足を進めた。
それにしても酷い雨。最近は雪ばかり降っていた為雨が降るなんて考えてもいなかった。
しかし、天気が悪い=サッカーが出来ないと考えてしまう私は本当に女子力がないような気がする。
もし今日晴れていたら普通にヒロトとサッカーをして遊びまくっていたに違いない。
そんな事になったらきっとバレンタインのプレゼントなんて忘れちゃうんだろうなーとか考えて、少しだけこの雨に感謝した。
□■□■□■□■□■□■
ヒロトの家に着いた私はと言うと所謂濡れ鼠状態になっていた。
「いらっs・・・そんなに雨酷かったっけ・・・?」
「んー、雨ってか風がねー。傘が仕事しなかったの。」
「とりあえずシャワー浴びる?」
「いや、面倒だから着替えとタオル貸してください・・・。」
私がそう言うとヒロトは苦笑いしながら"ちょっと待ってて"と言い奥からタオルと着替えを投げて寄越した。
私はこの状態で家に上がると床が濡れるかなーと思いその場で着替えようと思ったんだけど、ヒロトに必死に止められた。
もー床を拭くのが手間じゃんと言えば俺が拭いとくからと言われ脱衣所まで連れて行かれたので、しょうがなくそこで着替えることにした。
先ず初めにバックを念入りに拭いた。中をチラリと確認してみたけど、うん、大丈夫。なんとかなったみたいだ。
その後適当に髪や服をタオルで拭いヒロトが貸してくれた服に着替える。
向こうから"あれー?花梨姉さんは―?"と瞳子ちゃんの可愛い声が聞こえた。
ヒロトに"脱いだ服は適当に洗濯機に突っ込んどいて"と言われたので本当に適当に突っ込み、脱衣所を後にしてヒロトの部屋へと向かった。
□■□■□■□■□■□■
*そいえば花梨、傘が仕事しなかったって何?
*そのままの意味でございます・・・。
.