*お日さま園出身の少女の話*

□*狩屋君がサッカー部に入部してくる少し前の話@*
1ページ/1ページ






*狩屋君がサッカー部に入部してくる少し前の話@







あれは私たちが2年生になって間もなくの事。新しい学年になり、部活には新入部員が入ってきた。
まだまだ問題は沢山あったけど、それらも少し落ち着いてきた頃の話・・・




□■□■□■□■□■□■






朝、いつも道理の時間に起きた。けれども何故か体が重い。そして頭がガンガンする。
まあ風邪でも引いたかなーぐらいに思って学校に行く準備をしようと思い立ち上がった瞬間思った。・・・これはやばい。
あまりにも足もとがグラつく。さらに追い打ちをかけるように視界まで霞んできた。
やばい本格的にやばい。



こんなにもなったのは何年ぶりだろうなどと考えてみたけれど、そんな事を考える前に学校に電話しなくてはならない。
今の両親は昨日の夜から一週間ほど出張に出かけなければならないと言って出かけて行ったんだっけ。
流石にこんなにふらつくのではやばい。これでは学校にたどり着く前に倒れてしまうかも知れない。
そんな事になったら沢山の人に迷惑を掛けることになっちゃう。
よし、休むか。



そう判断した私は即座に学校に電話した。
タイミングよく電話に出たのが担任だった。担任は私の家庭の事情などを分かってるのでいちいち保護者に確認なんてしないで理解してくれた。
両親に連絡しないといけないかなーって思ってたのに・・・まあいっか。



無事学校に連絡も出来て気が抜けたのかな。私はベッドに潜り込むとすぐに眠りについてしまったみたいだった。





そして私が次に目を覚ましたのは1日と半分が過ぎたころだった。



流石にやばいと思ったが食事を作るのも億劫で・・・
というか食材なんてあったっけ・・・?



どうしたものかと考えてはみた物の未だに熱が下がってなかったらしくぼーっとしている頭でいくら考えても何にもならなかった。



どーしよっかなーと思いながらも、しばらくベッドの上で寝返りを打っていたら突然インターフォンがなった。



私はゆっくりとベッドから降りて部屋を出た。まだ少しふらつくが、まあ歩ける。目はやはり霞むものの昨日よりは断然よくなっていた。
なんだ、目覚まし時計セットしておいて学校行けばよかったかも。
いや、こんなに寝るとは思わないもんね。しょうがないか。




玄関まで辿り着きドアを開けると鮮やかなピンクと優しいグレーが見えたような気がした。
幼馴染の二人が心配そうな顔をしている。そして私に話しかけている。なんて言ってるんだろう。
あれ?なんかどんどん2人が遠くに行っているように見える。
なんか色々とおかしい。



遠くで私の名前が呼ばれた気がしたけど、すぐに何も聴こえなくなってしまった。






.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ