*お日さま園出身の少女の話*

□-バレンタイン2013*No.2-
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びゅうびゅうと吹きつける冷たい風に顔を顰めつつマフラーを口元まで引き上げる。





マフラーをしてきて本当によかった。





あーでもやっぱり手袋も付けてくれば良かった・・・。





探すの億劫がってちゃ駄目だよねー・・・。








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街の中をぶらぶらと見て回ると色んな可愛いお店があって目移りしてしまう。





雑貨屋さんで何か買おうかなー。でも仮にも男の子にあげる物だし・・・。それにヒロトさんたちにもあげるんだし、ちゃんと考えなきゃ駄目だよね。





あ、スポーツ用品店。
・・・いやいやバレンタインにあげる物じゃないでしょ・・・。





『今年は今までの物に少しの"気持ち"を加えて〜・・・』





先刻見たCMを思い出す。
気持ちって言ったって難しいよ・・・。
もういっそメッセージカードでも添えるか・・・。
いや、でも・・・





中々決まらずに考え事をしながら歩いていたら街の外れまで来ていたようであまり見たことのない風景になってきていた。
引き返すか・・・そう思いながら辺りを見渡すと、ケーキ屋さんの隣にお洒落なお店があるのが目についた。
何のお店かは分からないけれどとりあえずその可愛さに惹かれて入ってみることにした。








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外見だけでなく中もとても素敵なそのお店はどうやらお花屋さんらしい。
折角だから花にしてしまおうか・・・でも女々しすぎるかな・・・。





そんな事を考えてながら色取り取りの花を見渡していたらふと思い出した。
そうだよ。花言葉があるじゃないか。
"気持ちを加える"にはもってこいじゃん。





私は優しそうな店員のお姉さんに声をかけ、花言葉を教えてもらいながらも皆にあげる花を選んでいった。





結局おひさま園の子たちに配り歩くのはどうかと思いお日さま園の子たちに宛てる梔の花は大きめな花束にしてもらいお日さま園に活ける事にした。
折角だからヒロトさんや瞳子姉さんたちには一個づつあげたいなと思い小さな風鈴草の花束を作ってもらった。





そして、幼馴染の拓人と蘭丸にはペチュニアの花を添えるとして・・・
マサキにはお日さま園の皆と同じでいいかなとも思ったけれども見つけてしまったからには・・・というわけではないのだが、どうしても送りたいと思ったのでムスカリの花を添えることにした。





それから、部員の皆にも買おうかと思ったのだけれども、人数が多いということもあるし、部室に飾るとしてもあの広い部室のどこに・・・という事になってしまうので今回は諦めることにした。





私は皆への気持ちを込めた花を大事に抱え帰路についた。








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*思ってたより荷物が増えちゃった・・・



*やばい、手が冷たすぎて感覚がない



*・・・帰ったら、手袋探すかな・・・






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