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□【赤の姫\】
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赤のクランと赤の姫
炎と蝶の能力……


ドォォォォォォン……!!

と、爆発音が響いた。
煙がはれたら、制服を身につけた少年少女たちが、此方を見ていた。

そう。アタシたち、吠舞羅は葦長学園にのり込んだのだ。

草薙「ええか。草の根かきわかてでも、十束を殺したあのガキを探せ!!」

「おぉぉー!!」

凛華「……出雲さん。」

草薙「分かっとる。言うた通りにしな。」

アタシは頷いて、美咲のあとを追っていった。



────────────────



アタシと美咲は、学園全体が見通すことができる、屋上にいた。

凛華「前にも来たけど、やっぱり広いね。」

八田「そうだな。」

アタシは手にとまっている蝶を見た。

学園の隅々に、炎の蝶を放っている。何かあれば、直ぐにかけつけれる様に、連絡用として、放っている。

しばらくすると、蝶から出雲さんの声が聞こえた。

草薙「凛華、ちょいこっちに来いや。生徒会室におるで。」

凛華「はーい。」

立ち上がって、階段を下りていった。

出雲さんのところに行く途中、千歳と会った。出雲さんに頼まれて、アタシの迎えに来てくれたらしい。

とたん、千歳が立ち止まった。

凛華「千歳?」

「ヒャーハハッハ!!引っ掛かった、引っ掛かった。」

白い煙の様な狐の物質が、千歳から出てきた。

「どうも、赤の姫。」

アタシのことを知っている……?
こいつは……。

凛華「……無色の王。」

狐「そうさ。俺は第七王権者、無色の王さ。」

凛華「で、その無色の王が、アタシに何か用?」

狐「それはな……。お前の能力を頂くためだ!!」

といって、アタシに襲いかかってきた。

その瞬間、アタシの周りに赤い炎が立ちあがった。

狐「な、何!?」

焦る無色の王を見て、アタシは薄く笑った。

凛華「アタシをのっとって、姫の能力を手に入れようとしたんでしょ?でも、残念だったわね。」

アタシは右手をあげた。真っ赤な炎が集まっていく。
そして、その手を右から左に振った。

すると、無数の蝶の大群が、無色の王を包み込んだ。

狐「な、何をする気だ!!」

アタシは右手をつきだして、炎を灯した。

凛華「熱くないようにしてるから。これは姫の能力の一種。その能力を応用して、貴方の力を封じ込めてるわけ。確か、貴方の能力は、他者に干渉する能力よね。」

そう言って、アタシはニヤッと笑い、炎を握り潰した。

狐「ギャャァァァァアア!!」

無色の王を包んでいた炎の蝶が、握り潰した炎と同じ様に、圧縮した。
炎が消えると、倒れている千歳と、アタシだけになっていた。

凛華「逃げられちゃったか……。」

なるほどね……。
尊さんは、この事に気づいているのかな……。
また、一人で何も言わずに、抱え込んでいるの……?

千歳「うっ……。」

凛華「あ、千歳。大丈夫?」

千歳「凛華?何で、ここに……?」

凛華「出雲さんのところに行く途中、千歳が倒れていたの。大丈夫?」

千歳「まぁ……。」

出雲さんに頼まれてっていうのは、無色の王の策略の一つなのね。千歳も、知らないみたいだし。

凛華「じゃあ、出雲さんのところに行くね。」

走って、その場を去った。
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