オリジナル
□Trick or Treat
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:8月20日 午後4時30分:
俺たち身体派の3人は、とある美術館の建物の一番高い場所にいた。
俺たちは、黒くて動きやすい服装になっていた。
俺とギンは黒い半袖に、長い黒手袋。黒いパンツに黒ブーツ。腰にはウェストポーチみたいなのをしている。
ミレのは、俺たちのとよく似ているが、黒いハーフパンツに黒いロングブーツをはいていた。
そして、3人に共通項するのがリングと、透明な【レンズ】。
レンズはリングとおなじような機能を持っているけど、セキュリティを見破ったり、自分が見ている映像を、相手に送ることができる。
俺たちは硝子張りの窓から、目標(ターゲット)の美術品を見下ろした。
美術品のまわりには、警備員が立っていて、上からの侵入しかできない。
ギルがレンズの端を触って、中をみている。
───ピッ、ピピピッ──
ギル「赤外線が張り巡らされているな…。窓の方は?」
ジレ『無理やり開けると、警報がなるよ。』
レンズを通して、ジレの声が聴こえた。
このレンズとリング、服もろもろは全部、ツキ がつくったものだ。
ツキの能力は【開発】
物理的に無理がなければ、何でも造れる、大人顔負けのエンジニアだ。
ミレ「ここのコンピューターのハッキングはまだ?」
ジレ『あともう少し…。』
数秒たつと
リラ『ハッキング完了!!』
ギル「さすがだな。」
リラとジレ、2人とも同じ能力を持っている。
俺たちはその能力を【操作】って呼んでいる。
主にコンピューター関連の操作に長けている。
リラは特に【ハッキング】が得意で、数秒あれば、システム全体を乗っ取ることが可能。
ジレは【分析】に長けていて、数秒で様々な分析を行うことができる。
リラ『じゃあ、セキュリティ解除するわよ。』
ミレ「OK〜♪」
そして、数秒後
ジレ『セキュリティ解除完了。』
と言うのと同時に、窓の鍵が──ガチャン!!──と、開いた。
俺は白と黒の球を、下にいる警備員に向けて投げた。
──カツンッ…──
と音がなったのと同時に、白い煙がもれて、フロア全体を包み込んだ。
ツキが開発した【スモッグ】だ。
煙は10分保つ。10分もあれば、美術品を奪うのには十分だ。
完全に見えなくなったのを見計らって、ミレがレンズをいじりだした。
ミレ「目標確認。」
そう言って、飛び下りた。
今回の役割は、
俺がスモッグを投げて、ミレが美術品を奪う。ミレが奪うまでの間は、俺とギルは待機。何かあったら応戦って訳だ。
ギルはミレの脱出のために、ロープを垂らした。俺たちもレンズを弄って、ミレの様子を見れるように、【透視モード】にした。
ミレは警備員の間を抜けて、ガラスケースから美術品を取り出した。
ライ「ミレ、ロープを垂らしているからそれで、脱出しろ。」
ミレ『了解。』
暫くすると、スモッグが薄れてきた。タイムリミットの様だ。
ミレ『ライ、引き上げて。』
ライ「OK。」
ギンと2人でロープを引っ張ると、ミレが盗品を持って、笑っていた。
ミレ「任務完了。」
と明るく言うと、下のほうがざわついていた。
警備員の一部が、俺たちのほうを指して、何か割けんでいた。
俺たちは顔を見合わせて、ニッ、と笑うと、下を向いて
「「「Trick or Treat.」」」
ミレ「これは頂くね♪」
と言って、そこから飛び下りた。
そして、門を飛び越えた。
──『シュミレーション、終了です。』──