オリジナル
□Trick or Treat
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:8月28日 午後1時10分:
俺たちは暗い部屋でいる。
周りには、かなりの数のモニターが映し出されている。
リク「そろってるか?」
リクの声が響き、俺たちは1列に並んだ。
これから、怪盗として盗みをするから、俺たち3人は、黒い戦闘用の服を着ていた。
ツキが前にでてきて、リングを触った。
ツキ「ここを押すと、相手からは屋敷の使用人に見えるわ。あと、レンズに発信器と別のシステムを追加したからね。」
そう言って、レンズをさしだした。
ツキ「あと、ギルにはこれ。」
と言って、黒い革のブレスをだした。
ツキ「使い方は、分かるよね?」
ギル「ああ、サンキュー。」
あのブレスの効果は、後で分かるとして…。
リク「リングの確認。」
──キィィィィィィン──
金属の音が、響いた。
リク「レンズの確認。」
今度はレンズの右端を触って、モニターを映しだした。
リク「今回のターゲットは【マリアの涙】。ブルー・ムーンの件も、兼ね備えての任務だ。失敗はするなよ。」
「「「了解。」」」
リラ「3人とも、ちょっとこっちに来て。」
リラに呼ばれた方に行くと、モニターには屋敷の見取り図があった。
カイ「【マリアの涙】があるのは地下室だ。ここのお嬢が、自分のコレクションを地下に飾ってるってさ。まず、3階まで3人、ばらばらで行ってくれ。で、3階の何処かに隠し扉がある。そこから地下に、降りれるらしいんだ。」
ミレ「隠し扉の場所は、特定できないの?」
カイ「残念ながら。」
ジレ「今探してるよー。」
手をうごかしながら、ジレが答えた。
リラ「じゃあ、"とばす"からそこに立って。」
リラが指示したところには、淡く緑色に光る【ワープネオン】 があった。
これは、リラとジレとツキの3人が、手をつくして考えたもので、これと同じ模様が2つあれば、ワープできるってわけ。
欠点は、1度その場所に行かなきゃいけないけどな。
カイ「まず、屋敷の裏口に行ってくれ。そこで、暗証番号と指紋の入力をしなくちゃいけないから。指紋は、この手袋を使ってくれ。前の人の指紋が使えるはずだから。」
カイから渡されたのはゴム手袋。黒のロング手袋のうえから装着できるようになっている。
手袋をミレに渡した。
リク「幸運を祈る。」
リクがそう言った瞬間、ワープネオンが光り、俺らはその場から消えた。