オリジナル
□Trick or Treat
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──ギィィ…、ギィィ…──
階段を登るたびに、木が軋む音がする。
ギル「結構、古いんだな。」
ライ「ていうか、どこまで続くんだよ。」
俺たちは、木造製の螺旋階段を、ひたすらのぼり続けていた。
扉を開けたら、巨大な4つの振り子があり、上へと続く階段があるだけだった。
それより、しばらく階段をのぼっていたら、気分が悪くなってきた。
目眩がして、落ちそうにもなった。
ギル「おわっ!?」
ライ「おい!!?」
ギルが階段を踏み外して、転びそうになった。
ライ「気をつけろよ。」
ギル「悪い。お前は?平気か?」
ライ「すっげぇ、頭がくらくらする…。」
ギル「お前も気をつけろよ。」
リク「大丈夫かい?」
リクがそう聞いてきたので、俺とギルは頷き、再びのぼっていった。
リラ『時計塔の構造図、送るわよ。』
リラの声が聞こえ、レンズにデータが送られてきた。
ツキ『ライ、どう?何か聴こえる?』
ライ「軋む音と風の音、話し声以外聞こえない。」
少し強い口調でいった。
カイ『マジで大丈夫か?ライ。』
ライ「悪化した気分…。」
カイ『ギルとリクは?』
ギル「少しだけ。俺は踏み外すことが多い。」
リク「僕はなれた。」
なんなんだよ、この違和感…。
つか、階段なげぇ…。
ジレ『時計塔の解析してみたんだけど、どこも異常無し。ライたちが感じる感覚とは、関係無いみたいんだけど…。』
ミレ『ライは【五感】だから、ギルとリク以上に、そう思うんじゃない?」
リク「まあ、それも言えるけどね。」
リラ『原因が何か分からないのは、厄介ね…。』
時計塔には異常無し。だったら、他に何が原因なんだろうな…。
リク「……(ボソ)原因なら、分かったんだけどね。」
ライ「え?分かってんの?」
ギル「ライ?」
ふと、リクの声が聞こえた。
リク「……聞こえてたのか?」
ライ「俺の聴力なめんなよ。」
ギル「え?何??どういうこと?」
かなり、小声で言ったらしいが、俺は聞き逃さなかった。
ミレ『どうしたの?』
レンズから、ミレの声が聞こえた。
ライ「リク7が、原因分かったらしくてな。」
ジレ『分かったの!?』
リク「うん。まあね。」
少し苦笑して言った。
再び歩きながら、リクが説明しだした。