オリジナル
□Trick or Treat
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:午前7時:
ジレ「ライ〜、起きて〜。」
ライ「……眠い。」
ギル「起きてんだろ。ほら、さっさとしろよ。」
ライ「……。」
ギル「はぁ…仕方ねぇな。カイー、何とかしてくれ。」
カイ「リラ、ライの寝顔の写真いるか?」
ライ「起きたから送るな!」
急いでカイをとめると、ジレは笑うし、ギルとカイは呆れたように俺を見ていた。
俺は私服に着替えて、部屋を出た。
ライ「学祭やら依頼やらで疲れてんだから、寝かせてくれよ…。」
ジレ「駄目。疲れてるのは皆一緒なんだから。」
ギル「休日だからって、休んでる暇ねぇよ。」
そう、今日は休日。ってわけで、俺たちは【寮】にいる。
……一応、【寮】とは言ってんだが、ここってそういう雰囲気、ていうか、寮って言えるのか?っていうか…。
ライ「(ホント、おかしいよな。この学園…。)」
ここの生徒会は、異様な能力者の集まり。
それは、俺たちと学園のお偉い方の一部しか知らない。
何でか知らねえけど、生徒会のやつらは生活の保証がされていて、俺たちが暮らすこの寮は【屋敷】に近い感じだ。
まぁ、寮って言ってるけど…。
広いし庭もあるし、自室以外にもたくさんの部屋がある。
生徒会のやつらは、全員ここに住むことを義務付けられている。
ライ「(もう慣れたけどな…。)」
不満はねぇから、何も言わない。
俺たちは階段を下りて、リビングに行った。
ミレ「あ、ライ起きたんだ。」
リラ「珍しいわね。雨でも降るの?」
リビングに行くと、女性陣が朝食の用意をしていた。
ライ「あんなことされるんだったら、嫌でも起きるわ、そりゃ…。」
ミレ「あんなこと?」
ライ「それ以上は聞くな。で、ジレしゃべんな!」
ジレ「えー。」
えー、じゃねぇよ。
ギル「そういや、リクは?」
リクの姿が見あたらない。
いつもはいるんだけど…、何処いったんだ?
リク「ここにいるよ。」
ライ「え?うわっ!?」
俺の後ろにリクがいた。びっくりした…。
ライ「脅かすなよ…。」
リク「さっき来たばかりなんだけどね。」
苦笑しながら言った。
いや、でもいきなり背後から言われてみろ。誰でも驚くから…。」
ミレ「できたよぉ〜。冷めないうちにどうぞ♪」
とりあえず飯。腹減った〜。
ギル「そういや、ウイッシュ・スターの取り引きはどうなったんだ?」
カイ「それなら明後日、本人が来るんだってさ。」
リラ「本人が?ご令嬢なのに?」
ツキ「実際に、自分の目で確認したいらしいわよ。」
朝食が終わると、前の依頼の話になった。
ジレ「ブルー・ムーンの方は?」
ジレがそう言うと、カイがモニターをいじって、いくつかのデータを映しだした。
カイ「可能性のある所からしぼってみたら、10数カ所になった。」
ライ「多くね?」
カイ「これでも結構しぼった方なんだ。これ以上の特定は無理があるから、実物を見ないと分からない。」
ギル「じゃあ、そこに行ってとってこい、てことか?」
リク「それか、身体派と一緒に行動して、その場で調べるか。」
頭脳派の身体能力は、アスリート並だから問題ねぇと思うけど、いざとなったら、身体派についてこれるかどうか…。
ツキ「そういう装置って作ったほうがいいかしら?」
リク「侵入する場所によるね。セキュリティにひっかかると大変だし。」
カイ「手始めに、この美術館に侵入してもらおうと思う。館内の構造図は手に入れてあるから。」
カイがそう言うと、俺のリングにその美術館の構造図が送られてきた。
リク「身体派はいつでも出動できるように、準備するように。」
「「「了解。」」」
それだけ言うと、俺は立ち上がった、
ギル「どうした?」
ライ「ちょっと外に出てくる。」