夏目友人帳
□4話
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ニャンコ先生やヒノエ、瑞樹の話では、俺の妖力を欲するやつらは弱い中級ばかりで始めは何とも思ってなかったらしいが、最近になって中級と上級(といっても下の方)の奴らが手を組み、あの手この手で俺を仕留めようとしているらしく、瓶の中に入っている妖怪はそのうちの一人なんだそうだ。
瓶の中にいる妖怪は、神木に縛られた妖怪を解放して俺を襲わせた後、そいつが俺を食べる前に瓶に封じて俺を捕らえようとしていたらしく、たまたまそこにいたヒノエが自分の持っていた瓶でそいつを封じ込めたとのことだ。
「貴志」
「ん?」
「動かないでね」
瑞樹がそう告げた瞬間、俺の前に瑞樹のドアップがあった。
「なっ…?!」
自分でも自覚できるほどに顔が熱い。
きっと真っ赤だろう。
思わず顔を腕で覆い隠すが、ヒノエに後ろから腕を掴まれ、隠すことができなくなった。
「ヒノエ!?」
「夏目、あわてんでも大丈夫だ。瑞樹がお前なんぞにちゅーするわけないだろう」
「先生からかうな!っ…瑞樹、何するつもりなんだ…?」
顔が赤いのはこの際もう気にしないことにした。
っていうか、先生のからかいはちょっと失礼じゃないか?
俺と瑞樹に。
「貴志の記憶にそれらしい中級がいないか調べるの。おでこくっつけるから、動かないでね?」
「えぇぇ?!ちょっ、まっ…!それって絶対に額くっつけなきゃいけないのか!?」
「じゃないと記憶が鮮明に見えないし」
「なんだい、恥ずかしのかい?でこくっつけるくらい何ともないだろう?」
「そうだそうだー、問題な〜い」
「大ありだ!」