夏目友人帳

□4話
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ヒノエはともかく、ニャンコ先生は絶対おちょくってる!
だいたい、額をくっつけるって結構至近すぎる距離じゃないか!!
今まで人とあまり関わってなかったからってのもあるけど、普通健全な男子なら恥ずかしくなって当たり前だ。


「…そんなに嫌?」


「い、いや、別に瑞樹が嫌ってわけじゃなくて、その…し、至近距離だから…」


「わかった。なら左手貸して?鮮明には見えなくてもある程度見えるから」



なら初めから左手にして欲しかった…。
はい、と手を差し出せば、瑞樹は自分の手を俺の手に重ね、目を閉じた。



「そういえば記憶を見るって…全部見るのか?」



だったら困る。
物凄く!



「いや、違うぞ夏目。こやつの能力は関連性のある記憶だけをお前の中から探り出しているのだ。故に、その記憶の中に不審な中級がいないか探っているから効率がよい」


「ふぅん…?」



良かった…。
少しの沈黙が流れる。
数分して、瑞樹がいきなり声を発した。



「…斑」


「どうした、私の獲物を狙うバカな輩が見つかったのか?」


「…三日前…に貴志がお風呂に入ってるところと斑が見える…」


「はぁ?!」


「 ギクッ 」



三日間って言ったらたしか風呂で寒気を感じたあの時か?
たしかに妖怪の気配はしたが、あれ、にゃんこ先生だったのか…?
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