うたぷり

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「待ちなさい音也!!」




やっぱり。
少し後ろを見れば、音くんを追いかけて来たトキ兄が見えた。




「トキ兄だぁ〜」



「水月! あなた、なんで部屋から…」




危ないからあまり一人で行動するな、と昨日言ったでしょう。と言わんばかりの顔で僕を見るトキ兄。




「お昼作ろうと思ったら材料なかったから買いに行こうと思って。 さすがに目立ったらいけないかなって目立たないようにしてたつもりだったんだけど…」



「あなたのような綺麗な容姿をしていて目立たないわけがないでしょう。 食堂で水月を見た人達が騒いでいましたよ」






僕はトキ兄のほうが綺麗だと思うし、僕なんて人に見られるほど綺麗じゃないと思うんだけど。ぶっちゃけ、僕の容姿はすべてトキ兄に持ってかれたと思ってる。




「そして音也。 あなたは何を考えているのですか、まったく。 人の弟を見た瞬間に叫んで食堂から飛び出していくなんて…。 いい注目の的でしたよ」



「う…。 ごめん」




トキ兄は僕から視線を外すと、音くんを叱り始めた。
どうやら音くんは食堂から食事の途中に走ってきたらしい。
にしても叫んだって…恥ずかしいな…。
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