うたぷり
□2
1ページ/8ページ
「わわっ、翔、大丈夫!?」
どうやら高身長の人は力が強いらしく、翔がじたばたと暴れる。
身長差のせいか、しまっているらしく、僕は心配して傍へと駆け寄った。
「わぁ〜、翔ちゃんと同じく可愛い子発見ですぅ〜!!」
「ぅわ?!」
「あ、コラ那月!! 水月に抱きつくんじゃねぇ!!」
駆け寄ったまではよかったが、那月と呼ばれた高身長の人は僕を見るなり翔を離し、僕に抱きついてきた。
突然のことで驚いていると、翔が間に入ってきて、ベリッっと剥がす。
「翔、ありがと…。あの、誰ですか…?」
「こいつは四ノ宮那月。 音也と同じAクラスので俺の幼馴染。 可愛いもんが大好きで、抱きつき癖があるから注意しろよ?」
「抱きつき癖…。えっと、一ノ瀬トキヤの弟の一ノ瀬水月です。明日から早乙女学園の生徒になります、よろしくお願いしますね」
僕は翔に教えられ、四ノ宮さんに頭を下げてこちらも自己紹介をした。
翔は未だに僕が抱きつかれないように、僕の前に立っている。