うたぷり
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その日の昼。
僕はちょっと大変なことになっていた。
「ねぇねぇ、水月君って一ノ瀬さんの弟君なんでしょう?」
「はい」
「兄弟なのにあんまり似てないよね。 あ、でも顔が綺麗なとことか似てるかも!! っていうか、一ノ瀬君の弟ってことはHAYATO様の弟!?」
「似てないのはおそらく僕が母よりだからだと…。 …、はい、HAYATO兄さんは僕のいいお兄さんですよ」
「弟君はこんなに人懐っこそうなのに、お兄さんってクールだよね〜。 一ノ瀬くんって、普段もあんな感じなの?」
「トキ兄ですか? クール…。まぁ、確かに一見冷血そうに見えますけど、全然そんなことないですよ」
「ちょ、トキ兄だって!! 聞いた!?」
「「「かーわいいーッ!!」」」
僕の周りを取り囲む女の子たち。
たまに男の子も混じり、本当に男か、なんて確認を取られたりする。
僕、そんなに男の子らしい顔立ちしてないのかなぁ…。
「ねぇ、一ノ瀬君が冷血じゃないって言ってたけど、いつも笑わない一ノ瀬君が笑ったりって…」