うたぷり

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街中に出ると、翔は小さな体(と言っても僕と同じ身長なんだけど)で人をかき分け、目的の店へ向かう。





「翔、どこまで行くの?」



「あー、もうちょっと。 ってか人多いな…、迷子になんなよー?」



「大丈夫だよ、水月は俺が手引いてるし」



「は!?」





そう、少し前から僕が迷子にならないように、と音くんが手を繋いでくれている。
ちょっと恥ずかしいけど、まぁいいかと思ってそのまま。
翔ちゃんはそれを聞いて目を丸くした。





「音也っ! お前抜け駆けすんな!!」



「えー、何のこと〜?」



「ッ…」



「ちょっと、二人とも。 ここ道の真ん中だから!」





なぜかちょっと怒っている翔と、とぼけたような顔をしている音くんが口論を始めそうだったので、僕は間に入ってなだめた。
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