うたぷり
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…こんなもんかな。
数十分して僕が作ったのは、簡単なパニーニとスープ。
真斗には白菜とシラス・人参の入っただし風味に作った雑炊。
もちろん野菜もシラスも小さくして、あまり噛まなくてもいいようにしてある。
「レン、できたよー」
コトッと本を読むレンの前にパニーニとスープを置けば、レンは「これ、作ったの?」なんて聞いてくる。もちろん僕が一から(パンは買ってきたけど)作ったので、頷けば「いい奥さんになるね」なんて茶化された。
「…、まだ寝てるかな?」
そんなレンをかわし、真斗のいる寝室へと足を運ぶと、まだ寝ていそうな雰囲気。
「…あ、」
ふと寝返りを打ってこちらに顔を向けた真斗の顔には、熱いのか汗が滲んでおり、いつもはサラサラな髪が少しペトっと張り付いていた。
頬に引っ付いているだけならまだいいが、口元へ引っ付いていたため、うっとおしいだろうと髪を手で退かすと、真斗は小さく唸って薄く目を開けた。