うたぷり

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「ただいま、真斗。 起きれる?」





戻ってきた僕の問いかけに、真斗は頷くと上半身を動かした。
大分熱が下がったといえどまだ高い。
本人はいたって普通に起きているつもりだろうが、気だるげなのが見て取れる。





「ちょっと冷めてるから多分大丈夫だと思うんだけど…はい、」





そう言いながら、僕はスプーンに雑炊を一口分とり、真斗へと向ける。
すると、真斗は一瞬固まってから赤面し、あわあわとし始めた。





「っ、水月…!何を…!」




「なにって…、真斗まだ怠いでしょ? だから…ほら、口開けて。 あ、まだ熱いかも?」





まだ熱そうだったかな、と僕は雑炊をふーふーして冷ます。
すると、真斗はさらにわたわたしだした。





「そういうことではない! その…それはあれだろう!!?っ…」




「もー、いいから。 ほら!」





挙動不審…とまではいかないけど、目を泳がせたりしている真斗の口元にグイッとスプーンを向ければ、真斗は観念したようで口を開き、雑炊を食べた。
これのどこが恥ずかしいのか…。





「へぇ? 面白いことしてるねぇ、子猫ちゃん」




「な…っ 神宮寺!?」




「あ、レン」





真斗に雑炊を食べさせていると、不意に僕の頭の上に重みを感じた。

重みの正体はレンだったようで、レンは真斗と僕を見てニコニコ…否、ニヤニヤと笑う。
僕はレンが入ってきていたことに気づいてなかったので、少し驚き、真斗はというとさっきとは違って青くなって固まっている。
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