うたぷり

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「あっ ちょ、レンっ」




「ほら、子猫ちゃんもちゃんとしないと…いつまでもこのままだよ?」




「そ、そんなこと言ったって初めてなんだから…っふ…あぁっ」



バンッ



「何をやっているのですか貴方たち!!!!」




「ふぇ?」




「どうしたんだい? イッチー。そんなに顔を青くして」






レンとダーツを始めて数十分程経っただろうか?
なかなか矢が思うようなところへ行かず、声を出したところへ大きな扉の音をたてて部屋へ入ってきたのはトキ兄だった。なぜか顔が青く、焦っているように見える。

レンがどうしたのかと問うと、トキ兄はきょとんとした顔になり、「は…え? …レン…、あなた…」と言えば何かを察したのかレンを少し睨む。

意味が分からず僕が立ち竦んでいると、レンはウィンク付きで「イッチーってばこわーい。 …焦った?」なんて余裕そうにトキ兄へ返した。

僕は一向にわからないのに、二人はぽんぽんと会話を進めていく。
僕がしびれを切らして何の話をしているのか、と問おうとしたとき―…





「みつき…?」





少し熱っぽいような声で自分の名前が呼ばれ、その声に反応して、僕が振り向くと、そこには真斗が毛布にくるまったまま寝室からこちらを覗いていた。

僕は何があったのかと少し早足で真斗のもとへ向かう。





「ごめん、煩かったかな…?」




「いや、ちがう…。 飲み物が…無くなって…水をと思ったのだが、どうもうまく歩けなくてな…」





少し虚ろに言われたその言葉に、僕は熱が上がったのかと自分の額と真斗の額をくっつけた。

すると、熱はおそらく先ほどとあまり変わらない…。
おそらくうまく歩けないのは高熱によって体力が奪われたからだろう。

真斗にちょっとまってて、と声をかけ、僕は氷を入れたコップに水を注ぎ、冷やしておいた水のペットボトルを持って戻った。
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