うたぷり

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「あ、真斗!! 体調はどう?」




「一十木か。 うむ、皆のおかげですっかりだ。 礼を言う」




「俺達は何もしてないよー、買い物に着いて行っただけだし」




「いや、それでも俺のことを心配してくれていたのだろう? 素直に礼を受け取ってくれればいい」




「そう? えへへ。 そういえば、やっぱ真斗いないとレン調子でないみたいでさー? ぼーっとしてたよ」




「…神宮寺が?」





翌日。
僕は真斗とレンと共に登校していた。

休み時間にはSクラスに皆が集まり、それぞれが真斗の心配をしていた。
レンは特に何も言っていなかったけど、真斗の体調がよくなって安心していることはいつも澄ました顔をしているというのに、顔に出おり、よほど安心したのだと見て取れる。





「体調、治ってよかったですねぇ〜」




「うん。 だっておまじない≠オたもん」




「…おまじない?」





音くんに心配されている真斗を背に、僕はなっちゃんと翔に昨日のおまじない≠ノついて話していた。

すると、横から割り込んできた青髪のよく知れた人物が「ちょ、水月! あなたまさかアレを聖川さんに…?」と、教室で見せる姿にしては珍しく焦ったような口調で言ってくる。





「トキ兄なんでそんなに焦ってるの? トキ兄昔よくしてくれたじゃん、おでこと左ほっぺにキスするやつ」




「「「は!?」」」




「…」





僕がジェスチャーをしながらおまじない≠フ詳細を明かすと、驚き固まる皆と黙りこくるトキ兄。
真斗に至っては真っ赤で、翔も真斗までとはいかないが少し顔が赤いように思える。





「は、え、ちょ、おまっ、水月!! おまっ…真斗にんなことしてたのか!?」



「みーちゃん僕にもしてくださぁ〜い!」



「えーずるい!」



「俺は昨日知ったけどねぇ」



「知っていたなら言え!神宮寺!!」



「水月、あれはあまり他人にするものではありませんよ…」





一拍おいて皆が僕のまわりで騒ぎ出す。
ちょっと落ち着いて…。

クラスの注目になっちゃってるし…!
とりあえず僕は騒ぎ立てる皆に、少し抑えてと告げ、そういえばと譜面を取り出した。





「なんです? その楽譜は…」




「僕がここにきてすぐピアノで弾いた曲覚えてる?」




「覚えてるぜ! すっげーいい曲だったしな!」






僕が覚えているかと聞けば皆はさっきの顔とは打って変わって穏やかな顔つきで頷く。





「あれ、メロディーが完成したから聞いてもらっていいかな?」
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