うたぷり

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「うん、なんかそんな流れだったね…。3人がそれでいいなら僕は今から曲を作るけど…」

「人数の関係、さらに学園長からの命令とあっては仕方ありませんね。 水月、お願いします」




「ホントは俺のためだけの曲が歌いたかったけど…、まあ、学園長がああいうなら仕方ねぇな。 頼むぜ、水月!」





3人にそういわれ、結局私は3人のデュエット曲を作ることに。
皆の曲は何度か聞いているから、案外スラスラと曲案が出てきて、皆が返った後…おそらく5時頃だったと思うが、それから9時間経った午前2時頃には既に粗削りだが、数曲できていた。

もうこんな時間かぁ…。
今まで曲に没頭していたため、時計を見るのを忘れていた僕はふぅ、と小さくため息を吐く。

それと同時になったお腹に少し驚きつつも、そういえばお昼を皆で食べたきり何も口にしていなかったな…なんて思い返す。

しかし、今から作るといっても…と頭を悩ませていると、携帯から聞きなれた着信音が鳴った。
トキ兄だ。





「はぁーい、どうしたの? こんな時間に僕に連絡なんて珍しいね」





そう、トキ兄はこの時間は大概車での移動中で、携帯で頻繁に仕事の電話をする為充電がなくなり、繋がらないことが多い。
繋がったとしても途中で切れてしまうから、トキ兄は好んで電話はしないのだけど…。





「もしかして、と思いかけてみたのですが…。 やはり起きていたのですね、水月」




「あはは、課題曲を考えてたらいつの間にかこんな時間で…」




「まったく…、曲を作るのは構いませんが、体調を崩さない程度にしてくださいね?」




「そっくりそのままトキ兄に返すよ。仕事ばっかり詰め込んで体調崩さないでね」




「…そうですね、気を付けます」





しばらく僕らはそんな話をして時間を過ごした。
トキ兄に聞いた話では、今帰って来たところらしいのだが、いつもはきちんと持っている鍵を今日はあわてて部屋を出たため、自室へ忘れてしまったらしい。





「…と言うことで、今日一晩水月の部屋へ行ってもいいですか?」
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