うたぷり

□19
1ページ/3ページ




「ん…」





昨日閉めきれていなかったのか、カーテンの隙間から朝日がこぼれる。
その光で僕が目を覚ますと、トキ兄がすでに起きていて、朝食を作っていた。





「ときに…? おはやっほぉー」





眠たいながらに目をさすり、トキ兄に引っ付く。
昔から寝起きはこんな感じで、寝起きはものすごい甘えたになってしまう、トキ兄は急に抱きついてきた僕に動ずることもなく、HAYATOで「おはやっほー!よく眠れたかにゃぁ?」なんておどけて返してきた。





「ふふふ、トキ兄今日はお仕事ないんだからHAYATOしなくてもいいのに」



「水月がおはやっほーと言うからやっただけですよ。 それに、水月の前であればHAYATOであるのも苦ではありませんし。ああ、朝食が出来てますから座っていてください」



「はぁーい」



トキ兄にそういわれ、僕はトキ兄の温もりから離れ、カタンと席に着く。
それからトキ兄が僕の後を追うようにしてキッチンを出てきて、向かいに座った。



「いただきまーす」



「いただきます」





二人で手を合わせて、朝食を口へと運ぶ。
トキ兄とこうやって一緒に朝食を食べられることはあまりないことだから、とかみしめながら。

朝食後、トキ兄は音くんへ連絡し、鍵のことを話した。
丁度音くんは起きたところだったらしく、トキ兄はそのまま部屋へ戻っていき、僕は準備でき次第トキ兄の部屋へ向かって一緒に学校へ向かうことに。

しかし、例によって昼休み、僕はまたシャイニーに呼び出された。





『はーい、呼び出しでぇ〜すッ! Mr.イチノセ、Mr.イチノセェー、と言っても弟の方ですよ〜? 今すぐ校長室に来なさぁーい。 いいですか〜? Mr.イチノセ ミツキ〜今すぐ、校長室へ来なさぁーい。 とぉ〜っても大事なことなので二度言いました〜☆ それではサラバでぇ〜す!』



<…テンプレかッ!!>




以前と同じ言葉で呼ばれ、教室中にいた皆は心中はおそらくこう言ったことだろう。
僕は仕方ない、と皆に「いってきます」と告げ、シャイニーのもとへと向かった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ