とりこ
□7話
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「ほぅ、初ノッキングだったのか」
「はい。うまくいったのでよかったです。…てか、猛獣の管理くらいちゃんとしときましょうよ…」
あの後すぐに所長へ連絡をとると、渡すものがあるから報告ついでに部屋に来いとのことだった。
サニーはついてこなくてもよかったんだけど、なんだかんだで一緒にいる。
「それは無理だ」
即答ですか…。
「あ、それから…これな」
「…毒の名前…」
ほい、と渡された紙にはびっしりと毒の名前が書かれていた。
「おう。毒のリストだ。持ってけ」
「貰っても嬉しくないんですけど…」
「ーか、前どんな毒打たれんだよ!?どれもドラッグオレンジと並ぶ第2級の毒ばっかじゃねーかっ」
紙を覗き込んでギャーギャー騒ぐサニーに、「でもほら、これとかまだ軽い毒だよ?」と第3級か4級の毒を指差しで言ってみるが、「それだけじゃねーか!ーか、れでもあぶねぇし!!」なんて怒られた。
なんだかここのところ怒られてばっかりだなぁ…。
「今日の分は把握できたか?これからは投与したその日にこうやってリスト渡すからな」
明日からこれと似たようなリスト渡されるのか…。嬉しくないな、と思いつつふと顔を上げると、所長をガンとして睨むサニーの横顔が見えて軽い呆れなんてふっとんでしまった。
え、サニー…怒ってる…?
「…用事は終わりだろ?ミズキは連れてくかんな」
そういって、ひょいと私の体はサニーに担がれてしまう。
荷物じゃないんだけど…。
「サニー…?」
顔が見えなくてもピリピリした空気が伝わってくる。
何に怒ってるんだろう…。
いきなり怒り出したサニーにわけもわからず、とりあえず声をかけてみる。
「―と黙ってろ。レの部屋に行くし」
…え、このままですか?
私担がれたままなんですけど。
なんて言える雰囲気じゃないから心の底で思うだけ。
にしてもあの目…。
不謹慎だけど、綺麗だと思った。
ホントに不謹慎だけど…。
運ばれてる間、あれ以降サニーは何も話さなかった。
私も口を開かなかったから、お互い無言のままサニーの部屋に着いた。
どさっと下ろされたのはキングサイズであろうか、サニーの布団の上。
とりあえず何もしゃべらないわけにはいかないので、さっきのリストの話をしてみる。