うたぷり
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「トキヤぁー、大丈夫だよ。 オレ辛抱強いし!」
「そういう話をしているのではないのですよ。 第一、普段あれだけ静かにして下さいと言っているのに、それすらできないあなたが我慢など出来る筈がないでしょう」
二人して何の話をしているのかわからず「…えっと、何の話?」と言うと、トキ兄に「水月は知らなくてもいい話です。 音也が迷惑を掛けました、今日は連れ帰りますが、今後…特にレンが来たときは私に連絡をするように。 いいですね?」と言われてしまった。
「うん・・・? わかった」
「ふ、いい子です。おやすみなさい、水月」
優しく微笑むトキ兄に対し、音くんはと言うと、トキ兄に腕を引かれ(引きずる、って方が正しい気がする)ながら僕に「おやすみー!今度は一緒に寝ようねー!!」と言って、トキ兄と部屋へ戻っていった。。
あれ大丈夫なのかな…。
その日の晩はとてもよく眠れ、僕自身久しぶりだろうとてもスッキリした目覚めができた。
朝食を食べながらテレビをつければ、テレビからは「おはやっほぉー☆」なんてHAYATO…もとい、トキ兄の声が聞こえてくる。
仕事、がんばってるなぁ…。
そんな兄の姿を見ながら朝食終了。
さっさと着替えて登校準備をする。
教科書と楽譜、それから筆記用具にノート、ファイルなど必要最低限の物音楽プレーヤーを持って、今日一緒に登校する約束をしていた人の部屋へ向かった。
少し廊下を歩いて、たどり着いたそのドアに備え付けられているブザーをならす。