ヴァンパイア騎士

□君のせいで
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あれからどれくらい時間がたったのだろうか?
僕は額にあたるひんやりとした感覚に目を覚ました




「…?」




まだ少し動かない頭で窓の外を見れば、そこから見える景色は一面茜色に染まっていた。




「あ、起きた?枢。体調はどう?」




ふと反対側から聞こえた声に振り向けば、そこには僕の愛おしい人物が立っていた。




「どうして僕の部屋に?」



「んー、なんとなく枢が大変そうな気がして。迷惑だった?」



「僕が君を迷惑だなんて言ったことがあったかい?今日はなんだかいつもより逢いたい気持ちが大きくてね…会えてうれしいよ」




ああ、普段から逢いたい気持ちは大きいんだけどね。なんて付け足せば、「僕もだよ」と瑞樹が微笑んだ。




「ん、熱はだいぶ引いた見たいだけど、体はまだ怠い?」



「少しね…。でも瑞樹のおかげでだいぶ体が軽くなったよ」




おそらく、この額に乗っているタオルや氷枕は瑞樹がやってくれたものだろう。




「さ、これ以上ここにいて君に風邪をうつしたくないからね…。あとは自分で何とかするから瑞樹は部屋に…って、瑞樹?どうしたんだい?」




僕が部屋へ行くように促すと、瑞樹は急に服をぐいっと引っ張り、自らの首筋を露わにした。


その行動にきょとんとしていると、瑞樹が「顔色、悪いよ。たぶん今は何も食べる気がしないだろうけど、せめて血くらいは飲んで」と言う。




「いいのかい?」



「うん」




確かに今は食欲がない。それでも瑞樹の血に関しては欲がわいてきて、瑞樹の返事に僕はその露わになった首筋へと牙をたてた。
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