ヴァンパイア騎士

□課外授業+キャンプ
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「一条びしょ濡れ…」


「水も滴るいい男でしょ?」



ごっ



「心配して損した」



多少心配した梓葉が一条へ手を伸ばすと、一条はボケをかます。
すると、一条の取ろうとした梓葉の手は一条の頭上へと上がり、チョップとなって一条に降り注いだ。



「あはは、そう言っても手を貸してくれるあたり優しいよね。梓葉ちゃん」



一条はそれでも差し出される手を軽くとり、手に体重をかけないように立ち上がる。
瞬間、隣からバシャンッと川の中に何か大きなものが落ちる音がした。

梓葉と一条が隣を見ると、瑞樹の上に四つん這いになって川に落ちている玖蘭が。



「…瑞樹…?」



どうやら状況の見えない玖蘭は、呆然として目の前にある瑞樹を見つめる。

瑞樹はというと、そんな玖蘭を笑いながら「あははっ、枢もびしょ濡れー!!」とはしゃぎ、玖蘭の少し濡れた髪を触った。



「…ほら、バカやってないで…。君も濡れて透けてるんだからコテージ行くよ」



少し濡れてるけど我慢してね、と玖蘭は自分の上着を脱ぎ、瑞樹に羽織らせてコテージへ向かった。

藍堂と架院も荷物を置くために、そんなバカ3組を見送ってからコテージへと入る。
もちろん瑞樹が玖蘭を巻き込んだことによって文句を言いたげな藍堂は架院が静めた。
荷物を置き、着替えて外へ出てきた皆の目に入ったのは、バーベキュー台に置かれたたくさんの食材と、皿などの食器。

横にはメモが置かれており、そこには理事長の文字で「今日の夕食はBBQ☆だから、みんなで楽しんで食べるようーに!」と書いてあった。

正直、玖蘭・友香はBBQ☆…って…≠ニ心の中で呆れた溜息をついた。

そんなことに慣れた瑞樹・藍堂・一条は準備に取り掛かり、梓葉は食器をせっせと並べて席へと座る。

そして、「アイムハングリィーッ アイ ウォント ゴハン!!!」と言い、友香はそんな梓葉にチョップを食らわせた。



「準備手伝え、あほっ」


「梓葉、そこはゴハンじゃなくてfoodなんじゃ…」


「架院発音いいねぇ〜」


「話をきけぇー!!」


「まあまあ」



話を聞かない梓葉に再度怒る友香は、支葵によってなだめられる。
そうしているうちに準備は進んでいき、バーベキューの準備が整った。
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