【END and RE:TURN】
□堕天使
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―5、4、3、2、1、スタート!!
同時に、風を切って発進する三体の巨人。
―目標、形状が変化していきますっ!?
―何ですって!?
上空、使徒は変化を始めていた。
「な、何よあれっ!?
あんなの知らないわよっ!?」
パニックに陥りかけるアスカ。
「アスカッ、落ち着いてっ!?」
「わ、分かってるわよ…!?
シンジ、あれっ!?」
「な…!?」
目の前で、使徒がさらなる変態を開始していた。
*
NERV本部ー
「な、何よあれ…」
「……」
―モニターに映る変態した使徒、それはあまりにも、巨大過ぎた。
*
「ミサトさんっ!?」
―っ!?緊急コース形成、急いでっ!?
瞬時に、足場が形成される。
(間に合え、間に合え、間に合え、間に合え…)
―間に合えっ!?
「…うあああああああああああぁぁぁっ!?」
初号機は一気に加速、使徒の真下にたどり着いた。
「ATフィールド、展開っ!?」
衝突する、二つの壁。
「…ぐぅっ!?」
(こいつ、前より強い…!?)
その時だった。
「…!?」
使徒の内部からヒト型が出現、初号機と力比べのような状態になる。
だが、それでは終わらなかった。
「…ああああああぁぁっ!?」
両腕に走る激痛。
使徒の腕から形成された槍が、初号機の両腕を貫いたのだ。
「うぅ…」
腰の装甲は既に変形し、使徒を抑えきれるのも時間の問題になっている。
「アスカっ、綾波っ、まだなのか…」
諦めかけた、その時だった。
「シンジっ!?」
「アスカ…」
間一髪、間に合った2号機。
プログナイフを取り出し、使徒に切っ先を向ける。
「どぉりゃああああああぁぁっ!?」
―カキンッ
「な…!?」
かわしたのである、2号機の攻撃を、コアが。
「ア、アスカ、もう…」
「…シンジっ!?」
初号機は既に腰の装甲が砕け、そこから突き出た肋骨が、剥き出しの状態になっていた。
さらに、高過ぎるシンクロ率がアダとなり、シンジの肉体も、とっくに限界を越えている。
―彼を支えているのは、今を守る、その強い意思だけだった。
「と、止まりなさいよっ!?
シンジが、シンジがぁ…」
完全にパニックに陥るアスカ。
誰もがこの世界の終わりを確信しかけていた。
―ひとりの少女を除いて。
「…くぅ!?」
「…レイっ!?」
零号機が、使徒のコアを掴んでいた。
同時に、徐々に融解していく、腕部の装甲。
「2号機、コアをっ…」
「…ああああああぁぁっ!?」
切っ先が、使徒のコアを、捉えた。
「アタシの―」
貫かれるコア。
「大事な人に―」
そのまま、膝をコアに向けて打ち出す。
「手ぇ出すんじゃ―」
コアに切っ先が深々と突き刺さる。
「―ないわよおおおぉぉっ!?」
砕け散るコア。
使徒は静止し、そのまま崩れ去った。