【END and RE:TURN】

□堕天使
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―5、4、3、2、1、スタート!!

同時に、風を切って発進する三体の巨人。

―目標、形状が変化していきますっ!?

―何ですって!?

上空、使徒は変化を始めていた。

「な、何よあれっ!?
あんなの知らないわよっ!?」

パニックに陥りかけるアスカ。

「アスカッ、落ち着いてっ!?」

「わ、分かってるわよ…!?
シンジ、あれっ!?」

「な…!?」

目の前で、使徒がさらなる変態を開始していた。



NERV本部ー

「な、何よあれ…」

「……」

―モニターに映る変態した使徒、それはあまりにも、巨大過ぎた。



「ミサトさんっ!?」

―っ!?緊急コース形成、急いでっ!?

瞬時に、足場が形成される。

(間に合え、間に合え、間に合え、間に合え…)

―間に合えっ!?

「…うあああああああああああぁぁぁっ!?」

初号機は一気に加速、使徒の真下にたどり着いた。

「ATフィールド、展開っ!?」

衝突する、二つの壁。

「…ぐぅっ!?」

(こいつ、前より強い…!?)

その時だった。

「…!?」

使徒の内部からヒト型が出現、初号機と力比べのような状態になる。

だが、それでは終わらなかった。

「…ああああああぁぁっ!?」

両腕に走る激痛。

使徒の腕から形成された槍が、初号機の両腕を貫いたのだ。

「うぅ…」

腰の装甲は既に変形し、使徒を抑えきれるのも時間の問題になっている。

「アスカっ、綾波っ、まだなのか…」

諦めかけた、その時だった。

「シンジっ!?」

「アスカ…」

間一髪、間に合った2号機。

プログナイフを取り出し、使徒に切っ先を向ける。

「どぉりゃああああああぁぁっ!?」

―カキンッ

「な…!?」

かわしたのである、2号機の攻撃を、コアが。

「ア、アスカ、もう…」

「…シンジっ!?」

初号機は既に腰の装甲が砕け、そこから突き出た肋骨が、剥き出しの状態になっていた。

さらに、高過ぎるシンクロ率がアダとなり、シンジの肉体も、とっくに限界を越えている。

―彼を支えているのは、今を守る、その強い意思だけだった。

「と、止まりなさいよっ!?
シンジが、シンジがぁ…」

完全にパニックに陥るアスカ。

誰もがこの世界の終わりを確信しかけていた。

―ひとりの少女を除いて。

「…くぅ!?」

「…レイっ!?」

零号機が、使徒のコアを掴んでいた。

同時に、徐々に融解していく、腕部の装甲。

「2号機、コアをっ…」

「…ああああああぁぁっ!?」

切っ先が、使徒のコアを、捉えた。

「アタシの―」

貫かれるコア。

「大事な人に―」

そのまま、膝をコアに向けて打ち出す。

「手ぇ出すんじゃ―」

コアに切っ先が深々と突き刺さる。

「―ないわよおおおぉぉっ!?」

砕け散るコア。

使徒は静止し、そのまま崩れ去った。
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