【END and RE:TURN】
□希望
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赤い、世界。
そう形容するしかない世界の片隅で少年、碇シンジは膝を抱えていた。
「本当に僕が望んだっていうの、この世界を?」
ー気持ち悪い…
そう言ったきり、傍らの赤いプラグスーツに身を包んだ少女、惣流・アスカ・ラングレーの瞳はただ虚空をさ迷うのみで―
―もはや、何も写してはいない。
「本当に、僕が望んだっていうの?」
シンジはもう一度自問する。
「もう一度、会いたいと思ったのに…
僕が悪いのかよ…」
―アンタ、バカァ?
なーにへこたれてんのよ、バカシンジ?
「…アス、カ?」
虚空を見つめる瞳は変わらない。
ただ、彼女ならそう言うだろうという少年の、自分勝手で、一方的な、思い込み。
それが彼の頭の奥の方で木霊する。
「今思うといつも側にいてくれたんだよね…
それなのに、ごめん、助けに行かなくて…、本当にごめん…」
うっ、うっと肩を震わしてただ泣き続けることしか、彼には出来なかった。