【END and RE:TURN】
□再会ー弐ー
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「今日から学校かぁ…」
「シンジ君は学校、嫌い?」
「…好きじゃないです。」
「そう…、でも、良いこともあるかも知れないわよ?」
「はぁ…、そうだといいんですけど…」
「きっとそうよ、シンジ君、女の子にモテると思うし。」
「な、何言ってるんですかミサトさん!?」
「ふふん♪
じゃ、あたしはもう行くから。
戸締まりよろしくね?」
「もう、分かりましたよ…」
こうして、シンジの朝は過ぎていった…
*
第壱中学校、2ーA教室前―
シンジはこれからに対する期待と不安で、落ち着かないでいた。
(…やっぱり緊張するよなぁ、今度は学校も楽しめればいいけど…)
「じゃあ、入りなさい。」
「は、はい!!」
教室のドアを開く。
「えー、じゃあ自己紹介を。」
「は、はい。
碇、シンジです。
えーと、しゅ、趣味はチェロです。
あと、えーと、よ、よろしく、おねがいしますっ!!」
(いやーっ!!かわいいっ!!)
(緊張してあがっちゃうなんて…
何か母性本能くすぐられるわね…)
(アイツいきなりクラスの女子のハート掴みやがって…)
(これは売れるぞ…)
碇シンジ―彼の問題点は二つある。
一つは、その内罰的な性格。
そして、もう一つは、自分のルックスの良さに気付いていないことだった。
無論、赤毛の少女曰くもっと欠点はあるらしいのだが。
「じゃあ、碇君、そこの空いている席に着きなさい。」
「は、はい。」
(やっぱり前と同じ席だ。
てことは…)
「あ、綾波…」
「碇君…?」
その瞬間、教室が揺れた。
(あ、綾波さんが、喋った…)
(俺が話しかけても口聞いてくれなかったのに…)
(これは売れるぞ…)
「えっと、これから、よろしくね?」
「え、ええ…」
(((照れてるだとぉ!?)))
(売れるっ、これは売れるぞっ!?)
こうして、シンジは意図せずして何人かの男子を敵に回したのであった…